虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

多摩川台公園でワカケホンセイインコの求愛・交尾をじっくり観察

今回は、またまた東京周辺で勢力を拡大する外来の鳥です。ワカケホンセイインコは、いかにも南国風の装いで、森の中を大群で飛び交うと、真冬の東京が熱帯雨林に変わったような錯覚に陥りますね。 ワカケホンセイインコは新宿御苑などにもたくさんいますが、…

カップルで見たい相思相愛のかわいい鳥、ソウシチョウ

虫の少ない冬は、たまに鳥も撮ります。高尾山周辺で今日出会ったのはソウシチョウ。雄と雌を引き離すと、しきりに鳴き交わす様子が、離れがたい相思相愛のカップルを思わせるので相思鳥(ソウシチョウ)の名が付いたという、ロマンチックな鳥ですね。そんな…

エゾカタビロオサムシの越冬前セクシーポーズ

師走前の水元公園では、意外な収穫もありました。背中の金色の点刻が美しいエゾカタビロオサムシです。東京都区部の都市公園で、エゾカタビロに会えるとは、思ってもいませんでした。 ゴツゴツした樹皮の中に潜り込んで越冬しようとしていたようなのですが、…

マツヘリカメムシが芸術的に見える瞬間

侵入確認が2008年ごろと、日本ではまだ新参者のマツヘリカメムシですが、最近は東京近郊のあちこちで出会うようになりました。今回は葛飾区の水元公園のトイレでバッタリ。皇居東御苑、生田緑地にもいました。カメムシ類は飛翔距離が半端でないので、外来種…

一度噛みついたら首が千切れても放さないというクビキリギリスの噂は本当なのか

今回は「首切り」の話。虫ばかり追いかけていて、昆虫記者もついに会社を首になったのです。というのは嘘。クビキリこと、クビキリギリスの話です。 冬に見られるキリギリスと言えば、その代表がクビキリギリスですね。イソップ寓話に出てくる哀れなキリギリ…

子どもが拾ってきたドングリを放置すると大変なことに。シギゾウムシ、チョッキリ、蛾が続々

秋の遠足。ドングリ拾いは楽しいですね。でも、子どもが拾ってきたドングリを室内に放置すると、虫が出てきて大惨事を招くことがよくあります。 ドングリころころ、ドングリこ♫ なんて歌いながらドングリ拾いをする子供たち(そんな子どもは今時いないかも)…

ポロポロ落ちる不思議なアカイラガの毒針

先週、フジの葉を食べているアカイラガの幼虫を見つけました。可愛い幼虫ですが、毒針を持っているので、触ってはいけません。刺されるとかなり痛いそうです(試したことはありません。どなたか勇気のある人は試してください)。 アカイラガの幼虫。毒針付き…

イヌビワの雄株の実(花嚢)の中は蜂だらけ。間違って食べたら大惨事?

どこにでもある雑木「イヌビワ」の実(雌株の花嚢)は意外においしいのです。ビワという名ですが、実際はイチジクの仲間で味もイチジク風。しかし、イヌビワの木には雄雌があり、間違えると大変なことになります。 雄株の実(実際は内側に花を咲かせる袋のよ…

台風の後は栗拾い、虫拾いのチャンス。今回の収穫は一番きれいな蛾の幼虫の有力候補、ホソバシャチホコ。

台風一過と言えば、栗拾いと虫拾いです。食い意地の張った昆虫記者は、収穫の秋に台風がやってくると、栗拾いに出かけます。芋虫なども台風で木から振り落とされて、ハイキングコースの木柵の上などで迷子になっていることが多いので、虫拾いのチャンスでも…

どうでもいいコスズメの芋虫は元気に育ち、貴重なブドウスズメは寄生蜂の餌食になるという不条理

秋の芋虫探し、ヤブガラシ編第2弾は、コスズメとブドウスズメです。コスズメは毎年腐るほど出会うので、どうでもいいと言えば、どうでもいいのですが、ブドウスズメはなぜか出会いが少ないので、大切に育てたいと思っていました。 ところが、どうでもいいや…

ヤブガラシの茂みに潜むギョロリ目玉の怪物はセスジスズメの芋虫

秋の芋虫探しの季節もそろそろ終盤。今回はヤブガラシに付く芋虫の第1弾、セスジスズメです。ヤブガラシはツツジの植え込みの上などを覆っていることが多い、どこにでもある雑草。なので、ヤブガラシにいる芋虫は、都会の公園でも簡単に見つけることができ…

桑の木でキボシカミキリの交尾と、クワカミキリの食事をじっくり観察。

桑の実って、無料で食べられる木の実の中では抜群においしいですよね。人間は桑の実を食べ、クワカミキリは桑の樹皮を食べ、キボシカミキリは桑の葉を食べる。全く無駄がないですね。桑の木は100%有効利用されるのです。利用される桑の木の方は、ちょっとか…

嫁入り前の娘とクロタマゾウムシを見つけたいなら桐の木を探せ。アオギリではだめです。

「若い桐(きり)の木が庭にある家には、嫁入り前の娘がいる」などと言われたのは、江戸時代の話のようです。きっと昔は、ナンパ目的に桐の若木のある家を探し回った男たちがいたことでしょう。 桐の木と言えばクロタマゾウムシ? 桐の材は、美しい上に軽く…

都会の園芸家の大敵ハバチは虫好きのアイドル。可愛ければ許してもらえる?

都会の園芸家の大敵と言えば、イモムシ、毛虫が真っ先に思い浮かびますね。イモムシ、毛虫と言えば、たいていの人が思い浮かべるのは、蝶や蛾の幼虫です。しかし、植物に甚大な被害を及ぼすイモムシとして忘れてならないのがハバチの幼虫です。何と、芋虫を…

今年も東京都心でカブト、クワガタ三昧。明治神宮、新宿御苑はビルの大海に浮かぶ緑の島。

たまには童心に戻ってカブト、クワガタ探し。「県境を越えてのお出かけはお控えください」という新型コロナの緊急事態宣言下、都心の新宿区、渋谷区でも、大量にカブト、クワガタが見られるって、奇跡のような幸せですよね。ビルの大海の中の、小さな緑の島…

明治神宮拝殿のナナフシ撮影で痴漢冤罪体験

明治神宮の拝殿の入り口に大きなナナフシがいました。新横綱の照ノ富士が奉納土俵入りを行う予定(コロナで延期になりました)の日だったので、見物に来たのかも。 人がたくさん通る場所なので、人物を入れた写真にした方が面白いだろうと思い、しゃがみ込ん…

ヨツスジハナカミキリの♂♀の尻をつなぐのは、赤い糸ならぬ長い長い受精嚢管?

うっとうしい梅雨が終わったと思ったら、今度は命にかかわる猛暑。それでも昆虫記者は虫撮りに励む。虫が見られるなら、熱中症になってもかまわない(嘘)、命も惜しくない(大嘘)。 というわけで(何が訳なのか不明)、今回は裏高尾から城山茶屋を目指しま…

ゴマダラオトシブミの揺らん作りで思い出す童謡「かあさんの歌」

オトシブミの仲間のかあさんの揺籃作りにはいつも感心させられますね。今回は水玉模様の装いがいじらしい、ゴマダラオトシブミのかあさんです。虫のかあさんは偉い。「かあさんが夜なべをして手袋編んでくれた~♫」。童謡「かあさんの歌を思い出します。そん…

カシノナガキクイムシ被害でコナラの巨樹全滅の危機。昆虫記者のご神木も枯死

たまにはちょっと自然科学者的な話もしないと、ただの虫バカ(実際そうですが)と思われてしまうので、今回は里山はおろか、都心の公園でも進行しているキクイムシ被害によるコナラ全滅の危機の話です。 コナラが全滅しても「痛くも痒くもない」という人も多…

イラガとイラガセイボウ、どちらが当たりなのか

虫を飼っているとときどき、どこに置いたのか忘れてしまうことがあります。先日部屋の中を、ちょっと危険そうな蛾が飛び回っていて、妻に怒鳴りつけられました。 額縁にとまった蛾を確認すると、その正体は「イラガ」でした。家の中のどこかに、あの芸術品の…

梅雨時の高尾で毎年会いたい恋人はオオトラフコガネ

梅雨時の高尾で毎年どうしても会いたい恋人と言えば、やっぱりオオトラフコガネ(オオトラフハナムグリ)ですね。妻子持ちの昆虫記者にとっては、恋人というより愛人ですね。妻との行事があっても、すっぽかして会いに行ってしまう相手です。 なにせ、発生時…

梅雨時が見ごろのアジサイを切り落としまくる花泥棒の正体は、アジサイ・チョッキリことシロオビアカアシナガゾウムシ

楽しい、楽しい裏高尾。今頃の季節はとりわけ昆虫濃度が高いので、余裕のある時間設定が必要です。見る虫すべて写真に撮っていると、あっという間に日が暮れます。梅雨時の好天の週末なんて、1、2度しかないかもしれないので、早朝から出かけましょう。 1…

葛西臨海公園の海辺にキアゲハがいる訳は、ハマウドが人参と同じセリ科だから

葛西臨海公園の海辺には、あのシマシマ模様がかわいいキアゲハの幼虫がいます。キアゲハの幼虫と言えば、ニンジン畑で探すのが定石ですよね。なのになぜ、海辺にいるのか。それは、海辺に生える巨大植物のハマウドが、ニンジンと同じセリ科の植物だからです…

梅雨時の楽しみのカタツムリには右巻きと左巻きがあるって、知ってっても何の役にも立たない

明日は関東も大雨らしいです。とっくに梅雨入りしていると思っていたら、関東はまだらしいので、明日こそ梅雨入り宣言かも。 と言うことで、雨の日の楽しみのカタツムリ探しです。ただ探すだけでは芸がないので、ここで一つ、虫好きならたいてい知っているう…

厳しい冬を乗り切り、最晩年に鮮やかな青い姿に変身するホソミオツネントンボ。人間の女性なら、美魔女のような存在ですね。

成虫越冬した虫はたいてい、子孫を残したら春から初夏にかけて、色落ちしてボロボロになって、死を迎えます。悲しいですが、それも自然の掟ですね。ところが、成虫越冬した後に、美しいカラフルな姿に変わる掟破りの虫がいます。ホソミオツネントンボです。…

イチモンジチョウの越冬幼虫を見つけるのは至難の業?

もう初夏だと言うのに、今頃イチモンジチョウの越冬幼虫の話です。単に怠けてアップし忘れていたのです。そしてあまりにも地味で目立たない越冬姿なので、時機を逸するとアップする気力が失せてしまったのでした。でも先日、昆虫写真家の森上信夫さんとご一…

貞操帯とシースルー。成人向けの話ではありません。ウスバシロチョウの話です。

スプリングエフェメラルのウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)の季節は、そろそろ終わりですね。先週の高尾のウスバシロチョウはもう、ボロボロのばかりでしたが、若いころより、熟年になって魅力が増すこともあります。ウスバシロチョウの場合は、もともと鱗…

アサギマダラ幼虫、東京の野外で越冬できることを確認。さすが研究者。

毎年のように1、2匹、アサギマダラを自宅で羽化させてきましたが、これまでは冬に見つけた幼虫を室内で飼育するという過保護な扱いでした。幼虫が凍え死にしないようにという親心からなのですが、そうすると逆に、蝶が生きていくには寒すぎる2月末とか3…

どくろ顔のろくろ首と吸血卵

うわー、出たー。そろそろ夏らしくなってきたので、怪談です。今頃の野山では、髑髏(どくろ)顔のろくろ首が、あちこちから首を出していて、簡単に怪談気分が味わえますね。ご存知、ヒロバトガリエダシャクの幼虫です。 どくろ顔のろくろ首のようなヒロバト…

ツマキアオジョウカイモドキ、名前が長い虫はたいてい小さい

この季節、あちこちで見かけるけど、小さくてチョコマカと動き回って、よく飛ぶので、撮りにくいツマキアオジョウカイモドキの飛び立つ瞬間が撮れたので、アップします。場所は葛飾区の水元公園ですが、結構どこにでもいます。 鞘翅の先の黄色い紋がアクセン…