虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

今年はヌルデの虫にちょっとこだわってみた。まずはハイイロリンガ。

 今年はヌルデの虫にちょっとこだわってみようと思います。ただし、ヌルデはウルシ科の植物なので、かぶれやすい人は注意しましょう(毒性はかなり弱いようで、たいていの人は軽く触れる程度でかぶれることはないようです)。

 まずは、ハイイロリンガ。成虫の翅の繊細な模様は、まるでモザイク画のようです。ハイイロリンガというパッとしない名前を付けられて、かわいそうになるくらいです。しかし、わりと小さい蛾なので、成虫を見つけるのは難しいかも(数は多いので灯火採集をやる人なら簡単かも)。

モザイク画のような繊細な柄のハイイロリンガ成虫。

サイズはこんな感じ。かなり小さい蛾ですね。

羽化後、蛹にしがみ付くハイイロリンガ。

 なので、この繊細なモザイク画をどうしても見たいと言う人は、ヌルデの葉裏にたくさんいる幼虫を飼育するのがいいです(しつこいですが、かぶれやすい人は注意)。

 食痕のある葉が、下方に向けて少し丸まっていたら、その裏側に幼虫がいる可能性が高いです。

ヌルデの幼木の葉がこんな感じになっていたら、裏側にハイイロリンガの幼虫がいる可能性大。

非常に地味なハイイロリンガ幼虫。

 ただし幼虫は非常に地味で、飼育意欲がわきにくいです。きれいな成虫の姿を想像しながら、我慢して飼育しましょう。

 さらに、ハイイロリンガの幼虫を飼育すると、ちょっとした「おまけ」をゲットできます。それは奇妙な形状の蛹。蛹作成の過程も面白いので、その様子は次回(最近なまけ気味なのでいつになるのやら)のお楽しみに。