虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

イチモンジチョウは、地味であまり人気のない蝶ですが、実は若齢、終齢幼虫、蛹、成虫まで見どころが多い。

 イチモンジチョウは、地味であまり人気のない蝶ですが、幼虫から飼育していくと、結構見どころが多いんです。

 まずは、デビルマン(昔のアニメのヒーローです)風の蛹を見てみましょう。

悪魔的風貌のイチモンジチョウの蛹。

蛹化したての蛹もいい感じ。

 イチモンジチョウの若齢幼虫は、スイカズラの葉を先端から食べ進み、中心の葉脈だけを残します。この食痕を目印に幼虫を探しましょう。

 この段階の幼虫は、なぜか食べ残した葉脈の先端に糞を張り付けて、糞塔を作ります。その上、自分の背中の棘の上にも糞を積んでいくという奇妙な行動を取ります。糞擬態の一種なのでしょうが、効果があるのかどうか。

食べ残しの葉脈の先に糞塔を作り、自分の背中にも糞をのせるイチモンジチョウの若齢幼虫。

背中の棘の上に1つずつきれいに糞をのせているのが分かります。

こんな感じのスイカズラの食痕の葉脈の先に小さな幼虫がいる。

 そして幼虫は、あっという間に大きくなり終齢に。この終齢幼虫の頭部は、周囲が棘で囲まれていて格好いい。アフリカの部族のお面のようにも見えますね。ブードゥー教の祭りでこんなお面をかぶっている人がいそうな気がします。

棘だらけの頭部が格好いいイチモンジチョウの終齢幼虫。

 そして、蛹を経て、羽化して成虫に。

翅の表の白い帯がイチモンジチョウの名の由来。やっぱり地味な蝶ですね。

 イチモンジチョウの翅の表の模様は、地味な部類に入ると思います。でも翅の裏側は結構派手な柄で見応えがあるんです。ちょっと南国のハレギチョウの姿を思い起こさせるような色柄(ほめ過ぎ)です。

イチモンジチョウの翅は裏側の方が表よりきれいかも。