アシベニカギバとクロスジカギバは、もしかしたら同じ種なんじゃないかと思うくらい紛らわしいのがいます。
成虫はまだ、何とか見分けがつきそうです。絶対にアシベニカギバだと言い切れるのは、黄色い紋が前翅、後翅の半分くらいに広がっているやつですね。
でも、この黄色い紋が全くないアシベニカギバの成虫もいるようです(昆虫記者はそういうのは全部クロスジカギバだと思い込んでいました)。
次はクロスジカギバ(たぶん)の成虫です。前翅から後翅まで中央を貫くように走る黒い線がはっきりしていますね。
アシベニが脚が赤いという説明も、あちこちで見かけますが、これは決め手にはなりそうにありません。私が見た中には、アシベニよりも脚が赤い感じのクロスジカギバもいました。
そして幼虫はもっと分かりにくいです。背中の突起の形状が違うという説明がいくつかありましたが、それほどはっきり違うわけでもない感じです。
幼虫はアシベニもクロスジも、ゴマギ、ガマズミなどにいます(葉の表にいるので見つけやすい)。終齢幼虫の中には、全体が茶色のと、緑と茶のツートンカラーのがいますが、緑と茶色のは、どうやらクロスジカギバだけのようです(絶対と言い切れるかどうかは不明)。しかし、クロスジの幼虫は最後まで茶色のも多いので、茶色の幼虫はどちらなのか、ほとんど分かりません。
結局のところ、茶色の幼虫がどちらなのかは、飼育して成虫にしないと分からないということ。でも、幼虫、成虫ともさして美しくもないこんな蛾を、幼虫から飼育して「アシベニかクロスジか」ドキドキしながら見守る人は、いないかもしれませんね。