昆虫が作り出す芸術作品は数多いですが、最近になって作品の出来栄えにうならされたのが、マドガ幼虫のペーパー・フラワーならぬリーフ・フラワーです。
なぜこれまでこの作品に気付かなかったのか。それは、彼らの作品が目立たず、ひっそりと展示されているからです。
マドガの幼虫は、センニンソウ(ボタンヅルも巻くそうです)の葉に切れ込みを入れて、まるでペーパー・フラワー作家のように、きれいな渦巻状の造花を作り出します。しかし、その渦巻は地面の方に向いているので、葉をひっくり返さない限り、作品を鑑賞することができないのです。
作品が人目に触れにくいのは残念ですが、作品が下を向いているのは、合理的なのです。上を向いていたら、雨水や自分の糞が造花の中に溜まってしまって、不衛生だし、敵にも見つかりやすいですね。
マドガ幼虫の作品が目立つ時期は、関東では6月前半。マドガの成虫は小さいですが、これまた芸術的デザインなので、造花ごと幼虫を持ち帰って飼育するのも楽しいです。虫好きの皆様も、来年は是非、マドガ幼虫を飼育して、リーフ・フラワーの芸術作品と、成虫の芸術的姿をお楽しみください。