虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

昆虫芸術作品、マドガ幼虫のぺーバー・フラワーならぬリーフ・フラワー

 昆虫が作り出す芸術作品は数多いですが、最近になって作品の出来栄えにうならされたのが、マドガ幼虫のペーパー・フラワーならぬリーフ・フラワーです。

ドガ幼虫のアート作品(左)とマドガ成虫(右)

 なぜこれまでこの作品に気付かなかったのか。それは、彼らの作品が目立たず、ひっそりと展示されているからです。

 マドガの幼虫は、センニンソウ(ボタンヅルも巻くそうです)の葉に切れ込みを入れて、まるでペーパー・フラワー作家のように、きれいな渦巻状の造花を作り出します。しかし、その渦巻は地面の方に向いているので、葉をひっくり返さない限り、作品を鑑賞することができないのです。

探せば結構たくさんあるマドガ幼虫の芸術作品。この中だけで4つの渦巻が見られる。

非常に芸術的なマドガ幼虫の作品。作者の顔が見たくなりますね。

 

リーフ・フラワー作品の作者はこの方です。

ドガの蛹。地面に降りて蛹化するようです。

ドガ成虫の姿も芸術的。昼間に活動するので見かける機会は多い。

 

作品が人目に触れにくいのは残念ですが、作品が下を向いているのは、合理的なのです。上を向いていたら、雨水や自分の糞が造花の中に溜まってしまって、不衛生だし、敵にも見つかりやすいですね。

 マドガ幼虫の作品が目立つ時期は、関東では6月前半。マドガの成虫は小さいですが、これまた芸術的デザインなので、造花ごと幼虫を持ち帰って飼育するのも楽しいです。虫好きの皆様も、来年は是非、マドガ幼虫を飼育して、リーフ・フラワーの芸術作品と、成虫の芸術的姿をお楽しみください。