冬の葛西臨海公園と言えば、ムラサキツバメ(蝶です。鳥ではありません)の集団越冬ですね。「ですね」って、だれも同意しないんですけど…と言われそうですが、昆虫記者的には、冬の葛西はやっぱり、何と言われようとも、ガン無視されようとも、ムラサキツバメの集団越冬です。
撮影時がまだ11月下旬だったので、まだ臨戦態勢、有事にはいつでもスクランブルをかけられるぞ、という姿勢で集合していました。
これが真冬になると、みんなべったりと寝そべって、ゴミ集積所のような光景になります。それにしても密集、密接の蜜ですね。森の中のマテバシイの葉の上なので密閉は避けられていますが、互いの距離は新型コロナ禍の今、懸念されるほどの接近ぶりです。まあ、蝶にコロナは感染しない(と思う)ので、杞憂ではありますが。
やはり懸念されるのは蝶より人間の密集ですね。週末の葛西臨海公園はいつもカップルや家族連れで大賑わいです。野外なので、コロナ感染の危険性は低いと思いますが、どうせなら公園の中でも密になるスポットではなく、ムラサキツバメの越冬観察地のような、絶対に密にならないスポットを巡るのもいいかも。しかし、お父さんがそんなことを主張したら家庭が崩壊するかもしれないし、彼氏がそんなことを提案したら、彼女に見捨てられるかもしれませんね。そうなっても昆虫記者は責任を持ちません。
ついでに葛西臨海公園の初冬の花を紹介します。これは家庭崩壊、カップル解消にはならないネタですね。初冬の代表的な花の1つはビワです。そんなにきれいではありませんが、甘い香りは恋の気分を盛り上げるのに十分。
そして、この香りは蝶を引き付けるにも十分です。間違ってこの時期に羽化してしまったアオスジアゲハや、これから成虫越冬に入るテングチョウの姿が見られました。