都会で一番見つけやすいシジミチョウの幼虫と言えば、ムラサキツバメかもしれません。成虫の数から考えれば、ヤマトシジミやベニシジミの方が圧倒的に多いのですが、なにせヤマトシジミの食草のカタバミとか、ベニシジミの食草のギシギシ、スイバとかは、あまりに数が多すぎて、その中から幼虫を探し出すのは至難の技です。
それに比べて、ムラサキツバメの幼虫探しの何と簡単なことか。探す場所は公園のマテバシイのひこばえ。これがまた、どこの公園にも、ほとんど必ずあるんですね。大木の根元近くとか、切り株の周辺とかに。
ひこばえの先端近くの葉がちょっと虫食いになっていて、その一部がくるっと丸まっていたら、その中に幼虫がいます。2、3カ所のひこばえを見て回れば、ほぼ確実に2、3個はこんな幼虫の巣が見つかります。
先端に幼虫の頭が見えます。
こんな巣を開いてみると、
こんな感じで幼虫がくるまっています。
こちらはマテバシイのひこばえに産卵中のムラサキツバメです。
卵から飼いたいという、こだわりのある人は、卵の付いた枝先を持ち帰りましょう。公園のひこばえはいずれ刈り取られる運命なので、小さな枝先を折っても逮捕される可能性は小さいと言えます。でもそれだと、その後の餌やりが大変。
面倒くさがりの人は、大きくなった幼虫を持ち帰る方がいいでしょう。まあ、面倒くさがりの人はもともと、シジミチョウの幼虫など飼ってみたいとは思わないものですが。
幼虫探しのコツはアリンコです。シジミチョウの幼虫の多くは、アリンコが道しるべですね。ひこばえの枝先にアリンコがたくさん集まっていたら、そこには、アブラムシかシジミチョウの幼虫のどちらかがいるはずです。
そして、ここまで大きくなれば、もうすぐ蛹化。
蛹化しました。
そして羽化。指先にカルピスとかを塗って、指乗せなどを楽しみます。
今回羽化した2匹はどちらも、羽の表が渋く濃い紫色の♂でした。蝶の中では珍しく、ムラサキツバメは♂が地味。♀の方が鮮やかな青い羽を持っています。
♀はこんな感じです。これは越冬期間中の成虫なので、かなり擦れています。
きれいなのを見たければ、飼育、飼育。また幼虫を捕まえに行きたくなります。