シンガポールは罰金大国なので、虫捕りは危険行為です。ラブラドール自然保護区は、保護区なので、当然虫捕りは禁止です。昆虫記者は虫捕りでなく、虫撮りが稼業なので「昆虫記者、違法採集で逮捕」といった緊急事態は起きないと思いますが、不安はぬぐえませんね。
ちゃんとこんな警告が表示されています。
虫捕り禁止は、禁止事項のほんの一部。喫煙やゴミの投げ捨てはもちろんですが、ペットの連れ込み、動物への餌やり、生き物のリリースなども禁止です。違反した場合の罰がすごいです。表示によれば、5万Sドル以下の罰金か、6カ月以下の禁固刑、あるいはその両方となっています。
5万Sドルって、約400万円ですよ。「ウッソー」とか、「マジかよ」とか、つい品のない言葉を発しそうになりますね。
そんな危険を冒してまでラブラドールに行く必要があるのでしょうか。もちろんあります。
フォレストウォークの出口から数百メートル坂を下ると、MRTのラブラドールパーク駅。セントーサ島の玄関口のハーバーフロント駅からだと2駅です。こんな都市部の海岸線に、小さいながら貴重なマングローブ林が残されているのです。潮が引くと、サンゴ礁が顔を出すらしいです。
まずは水辺の景観をご覧ください。
なんと、このマングローブ林にはテッポウウオがいるのです。口から水鉄砲のように水を吹き出して、近くの枝先にいる虫を撃ち落として食べるあの技で有名な魚ですね。英語では弓の名手アーチャー・フィッシュと呼ばれます。テッポウウオなんて、NHK特集に出てくるような重装備、特大予算の探検隊でないと出会えない生き物かと思っていましたが、こんな都会の片隅の水辺にもいるんですね。シンガポールの自然がすごいのか、それともテッポウウオが全然すごくない当たり前の魚なのでしょうか。
罰金の恐怖さえなければ、なかなかいい公園ですね。でも日本からの観光客は、まず絶対にこんなところには来ません。つまりここは、「超穴場の観光地」なのです。それは「超不人気の観光地」とも言えますね。
蝶も少々いたので、次回紹介します。