葛西臨海公園の海辺には、あのシマシマ模様がかわいいキアゲハの幼虫がいます。キアゲハの幼虫と言えば、ニンジン畑で探すのが定石ですよね。なのになぜ、海辺にいるのか。それは、海辺に生える巨大植物のハマウドが、ニンジンと同じセリ科の植物だからです。
このハマウドは、時には大人の背丈を超えるほど巨大に成長します。なので、ハマウドがあれば、キアゲハの幼虫は餌に全く困らないのです。山野に多いシシウドやノダケよりずっと大きいです。まさにウドの大木ですね。でも食用になるウドとは全然違う種類のようです。ウドはウコギ科で、タラの芽のタラノキと同じ仲間なので、キアゲハ幼虫の餌にはなりません。
以前の葛西にはハマウドがもっと多かった気がするのですが、残念なことに最近は数えるほどしか目にしません。大きくて邪魔な雑草なので、刈り取られてしまうのかも。「あのかわいいキアゲハ幼虫の餌なんですよ」と訴えても、負け犬の遠吠えか。都内では結構めずらしいし、立派な姿の植物なので、是非保護してほしいものです。