師走前の水元公園では、意外な収穫もありました。背中の金色の点刻が美しいエゾカタビロオサムシです。東京都区部の都市公園で、エゾカタビロに会えるとは、思ってもいませんでした。
ゴツゴツした樹皮の中に潜り込んで越冬しようとしていたようなのですが、樹皮の割れ目が小さすぎて、お尻が丸見え。
頭隠して尻隠さずの典型で、「ここにいるので見つけて下さい」と言わんがばかりのセクシーポーズ。お尻をつまんで引っ張り出しちゃいました。
水元公園のヨモギには、寒さに負けずせっせと交尾に精を出すヨモギハムシのホットなカップルの姿も。見ているこっちまで熱くなってきますね。
ヨモギハムシは本当に寒さに強いハムシで、1月、2月でもよく姿を見かけます。成虫越冬が多いハムシの中で、ヨモギハムシの越冬態は基本的に卵だと思うのですが、年明け後に産卵する個体は、成虫越冬と言ってもいいですね。
ススキの葉を巻いて糸でつむいだ隠れ家の中にはセセリの幼虫(イチモンジセセリ、チャバネセセリ、キマダラセセリなどが多いです。今回のはたぶんイチモンジセセリ)。巻いた隠れ家の前後の部分が食べられて、細くなっているのが特徴です。
冬場の虫の少ない時期、セセリの幼虫を探すなら、この特徴を見逃さないように(超地味で蛾だと誤認されることも多いイチモンジセセリなので、わざわざ幼虫を探す人はまずいないとは思いますが)。周囲に食痕がなくて、ただ巻いているだけというのは、中にクモとか、ハマキ蛾系の幼虫がいる確率が高くなります。
死んだアオマツムシは、ヨコヅナサシガメの幼虫の餌になっていました。冬らしい冷え冷えとした光景ですね。
防護柵には越冬トンボのホソミオツネントンボ。水元には結構多く生息しているらしいです。
葉からゴマの香りがすることが名前の由来のゴマギには、サンゴジュハムシの卵がどっさり付いていました。つまりゴマギも、サンゴジュと同じガマズミ属の木ということになります。全然似てない木ですが、サンゴジュハムシがいることで、同じ属だと分かりますね。うーん、植物と虫の関係は深い。