明治神宮の拝殿の入り口に大きなナナフシがいました。新横綱の照ノ富士が奉納土俵入りを行う予定(コロナで延期になりました)の日だったので、見物に来たのかも。
人がたくさん通る場所なので、人物を入れた写真にした方が面白いだろうと思い、しゃがみ込んで撮影。ただナナフシのいたのが非常に低い位置だったため、知らない人が見たら、まるでローアングルショットで女性を狙う痴漢のようだったことでしょう。
案の定、すぐに係官が飛んできて詰問されました。昆虫記者はナナフシを指さして、しどろもどろの説明。何とか逮捕を免れましたが、虫撮りは常に、痴漢、覗き魔、コソ泥などの冤罪の危険をはらんでいます。
ちなみに単に「ナナフシ」という名の虫はいなくて、一番多いナナフシの仲間は、今回登場したナナフシモドキです。一番数が多いし、ナナフシと呼ぶにふさわしい、いかにもナナフシという姿なのに「モドキ」とは失礼ですね。それに、通常日本で「ナナフシ」と言えば、このナナフシモドキのことを指すという説もあり、そのうち学会の偉い人たちの協議で「モドキ」が取れる日が来るかもしれません。
ナナフシと言えば擬態昆虫の代表格ですが、このナナフシモドキは、なぜか大きくなると、非常に目立つところに出てくる癖があるように思います。人家の壁や軒下、道端の看板などで見つけることも多いです。
つい先日も、横浜の金沢自然公園で、観光案内係のように、公園の案内地図の横に鎮座していました。
姿が奇妙なため、ナナフシのことを珍しい虫と思っている人も多いですが、実は都心の公園にもたくさんいて、特に春に見られる小さな幼虫は、エノキ、サクラなどのひこばえに群れていることがよくあります。エサは近所にいくらでもあって、飼うのが簡単なので、虫好きのお子さんのいる家庭には、非常におすすめです。
日本の男の子たちの間では、やはりカブト、クワガタが人気ですが、オーストラリアではナナフシ飼育が結構人気らしいです。どうです、ナナフシを飼ってみようという気になりましたか。ならないですよね。