都会の園芸家の大敵と言えば、イモムシ、毛虫が真っ先に思い浮かびますね。イモムシ、毛虫と言えば、たいていの人が思い浮かべるのは、蝶や蛾の幼虫です。しかし、植物に甚大な被害を及ぼすイモムシとして忘れてならないのがハバチの幼虫です。何と、芋虫を駆除したり、授粉を助けたり、益虫の代表のように思われている蜂の仲間なに、大害虫なのです。
特に被害がひどいのはバラですね。チュウレンジバチ、アカスジチュウレンジバチというのが、バラの茎を切り裂くように産卵し、孵化した幼虫はバラの葉を見事にボロボロにします。
園芸家にとっては憎きチュウレンジバチの仲間の幼虫ですが、虫好きは結構こいつらのことも好きだったりします。幼虫の群れを驚かせると、一斉にお尻を突き上げて、威嚇ポーズを取るのですが、これが結構楽しいのです。
そして最近のお気に入り(やはり園芸家にとっては八つ裂きにしたい大敵です)は、シモツケマルハバチの幼虫です。粉砂糖をまぶしたような、スゥイートでキュートで愛らしい芋虫なのです。幼虫は春にしか見られないようで、チャンスが限られるので、見逃さないようにしましょう。しかし、こいつらの被害も結構甚大で、銀座の小学校のシモツケ(花は非常に可憐です)は、一時期無残な姿になっていました。でも、シモツケマルハバチは年1回の発生(年1化)なので、やがてシモツケは復活します。
ルリチュウレンジバチというのは、ツツジの害虫として有名です。このハバチは、ツツジの葉の周辺部に産卵するのですが、その産卵痕がなかなかに芸術的なので見逃さないように(もちろんルリチュウレンジも園芸家にとっては爆殺したいほど憎い相手です)。
このほかのハバチも、そこそこの害虫が多いですが、見た目は結構かわいらしいのが多くて、イモムシ好きの女子などには結構人気があります。
こういう可愛い姿を見ると、園芸家の人々もきっと、ハバチたちの悪行を許したい気持ちになることでしょう…なんてことはないな、きっと。