虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

真冬の公園トイレでニジュウシトリバ。この造形美は孔雀にもジュディー・オングさんの衣装にも勝る

 千葉の公園での真冬の虫探し。寒さでお腹が不調では、トイレのお世話になるばかり。虫探しどころではない、と言いたいところですが、トイレはある意味、虫の宝庫ですよね。

 すると、何という強運でしょうか、入った個室の壁にマダラニジュウシトリバ(旧名ニジュウシトリバ)がとまっていたのです。

 昆虫記者は転んでもただでは起きない。トイレに駆け込んでも、ただでは出てこない。

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24本の羽根を孔雀のように広げてとまるニジュウシトリバ。この造形美、孔雀なんて目じゃないですね。

 お腹の不調も忘れて、写真をバチバチ。ついでに小パックに取り込んで、自宅にご招待しました。

 しかし、この造形美はすごい。孔雀なんて目じゃない(なんて言うと孔雀が怒りますね)し、レコード大賞をとった名曲「魅せられて」を孔雀のような衣装で歌うジュディー・オングさんも目じゃない(なんて言うとオングさんは確実に怒りますね)です。

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ウィンド・イズ・ブローイング・フロム・エイジアン♫と歌いたくなるニジュウシトリバの艶姿

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ニジュウシトリバは翅を閉じると何蛾か全然わかりません。でも、とまっている時はたいてい翅を全開にしているので、ご安心を

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ニジュウシトリバを見つけたのは、こんな場所。虫好き以外は皆が無視する存在ですね。

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ニジュウシトリバの翅を光にかざしてみました。1本1本の羽毛がはっきり分かりますね。

 こういう興奮を味わえるのは虫好きだけ。昆虫記者より前に同じトイレの同じ個室に入った人は、この小さな蛾の存在に気付かなかったか、気付いても嫌悪感しか抱かなかった可能性大です。

 トイレで用を足しながら、ニジュウシトリバとの逢瀬の興奮に浸る。これこそまさに、昆虫趣味の醍醐味ですね。