虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

春の津久井湖、ハムシ、カミキリ、その他編

 春の津久井湖は新緑が美しく、目に優しいですね。でもこの新緑を「美しい」ではなく、「おいしい」と感じる者たちがいます。確かにワラビとかタラの芽とか山菜はおいしいですが、クルミとか、フジとか、エゴノキとかの若葉ってどんな味がするのか気になりますね。

 たぶん人間にとっては不味いのではないかと思われます。おいしかったという報告はどこにもありませんから。

 ではまず、クルミの若葉を食べてみましょう。「って、誰がそんなもん食べるかい!」

 ということで、まずはクルミの葉が大好きなクルミハムシです。

 オスがメス(体が大きく、腹が膨れている方)に言い寄っていますね。

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クルミハムシ。オスがメスに言い寄っています

 そして、メスがクルミの葉を食べるのに夢中になっている隙に、後背に回り込んで、ちゃっかり交尾。

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巨大なメスのお尻に噛り付くように交尾するクルミハムシのオス

 高い枝先で交尾しているのもいます。交尾していると言うよりは、巨大な饅頭に噛り付いている感じですね。スリムなスタイルがいいなんて言うオスはクルミハムシの世界にはいないのでしょう。豊満でポチャポチャで、お尻の大きなメスが大人気です。

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風船か、饅頭のように見えるのはクルミハムシのメスの巨大なお尻です

 一方、人間たちは、新緑を目で楽しみます。桜の小道を上っていくと、こんな素敵な展望台があります。

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 こちらはちょっときつい坂の近道。ここにクルミハムシがたくさんいます。

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 続いてはフジです。フジと言えばフジハムシ。美しい紫色のフジの花と絶妙のコントラストを成すオレンジ色の成虫ですね。

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フジハムシの成虫

 卵もオレンジがかったおいしそうな色です。

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フジハムシの卵

 でも幼虫は、全く美しくありません。ハムシの幼虫は概してあまり美しくはありません。そして、基本的に嫌われ者の害虫です。

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フジハムシの幼虫

 津久井湖城山公園にはバーベキュー場もあります。津久井湖観光センターの裏手ですね。その近くのフジが、フジハムシの餌場になっていました。

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 花の苑地も散歩するにはいいところです。八重桜が散って、ピンクの絨毯になっていました。

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津久井湖城山公園、花の苑地

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 こちらはシデの木にいたハムシの幼虫。シデなので、ズグロキハムシあたりかと思います。

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 エゴノキの葉を食べるのはエゴツルクビオトシブミ。メスが葉を巻いて、子供のための揺りかご、揺籃を作っています。エゴツルクビオトシブミの揺籃は、枝にぶら下がったままで、地面には落ちないので、落とし文(オトシブミ)にはなりません。ぶら下がり文です。この中心部に卵が産みつけられています。

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エゴツルクビオトシブミの揺籃、ほぼ完成です


 これはクロボシツツハムシ。色々な葉を食べます。

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クロボシツツハムシ

 ついでにカミキリです。まだ数は少ないですが、チラホラと材木置き場などに姿を見せはじめました。

 カラカネハナカミキリ。金属光沢が美しいカミキリですが、材木の陰にいたので、色合いは今一つです。

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金属光沢が美しいカラカネハナカミキリ

 杉の材があれば必ずいるヒメスギカミキリ。

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杉の材があるところ、ほぼ必ず現れるヒメスギカミキリ

 トラカミキリ系も出始めました。たぶんキンケトラカミキリですね。

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たぶんキンケトラカミキリ。青葉の上に鮮やかな虎模様

 あとは雑多な虫。

 太い髭が自慢のヒゲブトハナムグリ。小さい上にブンブン飛び回るので、撮りにくい虫です。春だけの虫ですので、撮りたい人(そんなのいない?)は急いだ方がいいです。芝生に雑草が混じった日当たりのいいところに多くいます。津久井湖城山公園では子供たちがワイワイ遊んでいる四季の広場付近にいます。

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太い髭が自慢のヒゲブトハナムグリ。普通の髭のメスにはめったに出会えません

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 ヒラタアオコガネもほぼ春限定のコガネムシです。

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春限定のヒラタアオコガネ

 ツマキアオジョウカイモドキは尻先の黄色が可愛いですが、小さい虫なので尻先を撮るのは大変。

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お尻の先がアクセントのツマキアオジョウカイモドキ

 ナナフシ(正式名はなぜかナナフシモドキです。全然もどきではなく、本筋のナナフシなのに)は孵化したばかりの今頃が、体長に比べて一番足が長い感じで、写真写りがいいです。6本足のキリンという感じですね。

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