夢の島の第五福竜丸展示館と、その近くにいた迷彩模様の蛾は、原水爆実験と大怪獣モスラの関係を思い起こさせます。(いかにも社会派の記事ですね。記者を名乗るだけのことはあります)
モスラ映画第1作は、原水爆実験場近くの放射能に汚染された島に流れ着いた沈没船の船員の話から始まります。船の名前が第二玄洋丸というのも、第五福竜丸を連想させますね。映画では核実験をした国は、ロリシカ国となっていますが、これはロシアとアメリカを合わせた名前だとすぐに分かります。第五福竜丸は米国の水爆実験場となったビキニ環礁近くで被爆しました。
福竜丸展示施設の前にモスラがいたら良かったのですが。そうすべてうまくは行きません。モスラのモデルはヤママユガとかヨナグニサンとか言われています。ヨナグニサンは日本では与那国島まで行かないと見られません。
今回、展示施設の前にいたのは、ウンモンスズメです。ヤママユ系ではなくて、スズメガの仲間ですが、迷彩服の模様が戦争を思い起こさせます、と言うのはもちろんこじつけです。
オスメスのカップルが腹部を寄せ合うようにとまっていたので、恐らく交尾後の余韻を楽しむ至福の時だったのでしょう。邪魔してしまいました。人の恋路の邪魔するやつは、というシチュエーションですね。昆虫記者は犬に食われるか、馬に蹴られて死ぬ運命です。
これが第五福竜丸展示施設。無料(これが重要)なので、是非訪れて下さい。夢の島公園は、半蔵門線、京葉線の新木場駅の目の前にあります。
福島の原発メルトダウン、水素爆発という世界史上最悪級の原発事故があったため、忘れ去られがちですが、第五福竜丸は戦後の日本人の被ばく事件としては最初のものでしょう。実験に使われた水爆の威力は、広島の原爆の1000倍だったと言います。改めて、原子力兵器、原発事故の恐ろしさを感じますね。
などと社会派のコメントを吐きながら、実は蛾の撮影に夢中になっていた昆虫記者です。
モスラは幼虫のカッコよさが印象に残っている人が多いのではないでしょうか。あれは、たぶんカイコ(蚕)がモデルですね。
今回は蚕系のイモムシは見つかりませんでした。代わりに、フジの葉を食べるキシタバのイモムシを見つけました。結構大きくて迫力があります。顔がなかなかに怪獣的。
こちらはオビカレハの毛虫です。これも展示館前にいました。
エノキの若葉の間に枯れ葉が一枚。これも蛾です。チャハマキと言います。
ツマジロエダシャクはどこにでもいる蛾なので、相手にされませんが、そこそこカッコいい蛾です。