虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

東京都心、春の公園虫散歩(夢の島公園)

 東京都心、春の公園虫散歩。今回は夢の島公園です。行ったのは4月半ばなので、まだまだ、虫最盛期には程遠い感じでしたが、暑くも寒くもないし、蚊もいないこの時期は気持ちがいいですね。
 実は今、夢の島公園はオリンピックに向けて、大改修工事が続いていて、家族連れには残念な状況になっています。
 でもここには、「えっ、ここ東京都心なの」と、びっくりする散策の穴場があるのです。それは、公園の第一駐車場と、湾岸道路・首都高湾岸線に挟まれた細長い部分。

 隣は湾岸道路です。
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 ところが緑の中に入ると、こんな里山のような風景に。ちょっとトラックの通る音が聞こえたりしますが、そのうち「ここは一体どこ。異次元の世界に迷い込んでしまったのか」といった感覚になります。
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 清掃工場への道を挟んで、駐車場に近い側はこんな感じ。
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 これもまた、都心とは思えない静かな散歩道です。ともかく、人が少ない。夢の島公園に来た人は、ほとんど皆が、第五福竜丸展示館とか、熱帯植物園とか、マリーナとかの方面へ行ってしまうので、まさか、駐車場の裏側に、こんな散歩道があるなんて、想像もしないというわけです。

 肝心の虫ですが、もう季節的に無理だろうな、と思っていたツツジトゲムネサルゾウムシがまだ頑張っていてくれたのが、嬉しい。
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 ツツジのつぼみを食害する虫なので、満開を過ぎたこの時期にはほとんど姿を消してしまいます。

 ピンクのツツジの花の上に座る、丸っこいゾウムシの姿もいいものです。
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 でもツツジにとってはいい迷惑。たぶんつぼみの時期に、ツツジトゲムネサルゾウムシに食害されたのでしょう。花びらのあちこちに穴が。
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 コナラには、クヌギカメムシの幼虫。
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 キベリナガカスミカメもいました。
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 エノキや桜の葉には、ナナフシの幼虫がいっぱいいます。
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 穴だらけのエノキの葉にもナナフシ。
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 その穴を開けたのは、エノキハムシの幼虫です。裏側にたくさん隠れていました。
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 ネズミモチの葉には、針で開けたような小さな穴がいっぱい。
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 その犯人はたぶん、このクロボシトビハムシ。
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 こんなに小さいハムシです。
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 一応、第五福竜丸と熱帯植物園方面にも行ってみます。
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 植物園前では、スジグロシロチョウと、モンシロチョウが空中バトルを繰り広げていました。
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 この公園の特筆すべき点は、ユーカリの森に、オーストラリアから侵入してきたユーカリハムシがいること。5月半ばごろには、幼虫が大量発生すると思います。