シンガポール虫旅最終日のハイライトは、ゲジゲジ大王です。と言っても、ムカデ、ゲジ、ヤスデの仲間ではありません。れっきしとしたイモムシ、マンゴーイナズマ(チャイロイナズマ=バロン)という蝶の幼虫です。しかし、とてもイモムシには見えません。どう見てもゲジゲジ大王です。
マンゴーイナズマという名の通り、幼虫はマンゴーの葉を食べるので、マンゴー農園に行けば見つかるはずなのですが、これまではいくら探しても発見できませんでした。
今回の旅行でも、一応探していたのですが、結局最終日まで出会いの機会はなく、諦めかけた頃でした。サザンリッジの散策路をブーゲンビリアが咲き乱れる展望台で折り返し、帰路についたところで、マンゴーらしき幼木を発見。その葉が派手に食い荒らされているのに気付いたのです。
もしかして、もしかして、こんなところにマンゴーイナズマがいたりして。なーんて都合のいいことはないよなー。とか思いながら、上から順番に葉を眺めていくと、一番下の葉の上に、ゲジゲジ大王様のお姿が。
な、な、何と立派なお姿。お尻の後ろには、脱ぎ捨てたばかりの脱皮殻。こんな細部にまでこだわったトゲトゲ、ヒゲヒゲの芸術作品のような姿で、脱皮するのはさぞ大変な苦労だろうと同情したくなります。
何を好き好んで、こんな奇妙奇天烈、奇抜な姿になってしまったのでしょうか。自然の造形、生物の進化って、本当にすごいと思います。こういう感動があるから、虫撮りはやめられないんですね。
帰り道に、今回の虫旅で見慣れたドラゴンフェイスのチビフタオチョウ幼虫や、ラグビーボール大のツムギアリの巣などを見て、あとはチャンギ空港に向かうだけです。
空港に向かうとなれば、虫撮りは終わりと思う人も多いでしょうが、何と、チャンギ空港でも虫が待っているのです。それは次回のお楽しみということで。