虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

グリーンアントの女王・豪キュランダの旅

 1月のケアンズは朝から暑いです。でも負けてはいられません。キュランダ高原列車フレッシュウォーター駅での炎天下の虫撮りは続きます。

 まずはグリーンアント。グリーンアントはツムギアリの仲間で、木の葉を糸でつなぎ合わせた樹上の巣は、風にそよぐハンモックのように涼しげ。南国的ですね。大雨が降っても水没することがないので、熱帯雨林での生活には樹上の巣が適しているのでしょう。

 これは小さな巣です。多くの葉を寄せ集めたもっと大きな巣もありますが、アリ嫌いの人も多いので、このサイズの巣なら、拒絶反応も控えめなのではと考えた次第です。
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 ちょっと突っついてみると、緑のお尻の働きアリの防衛隊が「緊急事態発生」とばかり、わさわさと出てきます。巣を開いて、中の様子を調べてみるなんて度胸はありません。防衛隊にボコボコにされるのは嫌です。噛まれると結構痛いですから注意しましょう。
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 近くに柏餅のように閉じられた一枚の小さな葉がありました。突っついても何も出てこないので、安心して開いてみると、中には女王らしい威厳を備えた大きなグリーンアントが一匹。卵のようなものを守っていました。ツムギアリは幼虫の出す糸で巣を紡ぐので、既に葉が紡がれていたことから推察すると、これは卵ではなく、幼虫か繭である可能性もあります。
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 羽のあるグリーンアントもいました。今頃が新女王の誕生や結婚のシーズンなのかもしれません。
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 子育てする虫は、アリばかりではありません。カメムシにも卵や小さな幼虫を守るのがいます。このカメムシは、あまり美形ではないのですが、子育て中というだけで輝いて見えます。「まるで聖母マリアのよう」などと言ったら、キリスト教信者の方々から非難ごうごうでしょうが、やはり神々しい姿です。
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