水元公園の睡蓮の池にバンがいました。バンと言えば、ペンキを塗ったような鮮やかな赤色の額板(クチバシの上部から頭部にかけての板みたいなのをこう呼ぶそうです。ヒタイイタではなくガクバンと発音します。恥ずかしながら今回初めて知りました)と、赤と黄色に色分けされたクチバシが売りですね。
と思っていたのですが、この日初めて、バンのお尻(たぶん尾羽の一部)が天使の翼のように純白で、可愛らしいことに気づきました。パンの魅力は顔の化粧だけにあらず、ヒップの羽飾りも見逃せないのです。フラダンスのように、こんな魅力的なお尻をフリフリされたら、つい見とれてクラクラしてしまいそうです。
しかし、比較的臆病と言われるバンが、なぜ派手なお尻をしているのか、不思議ですね。そこで思い当たったのが、鹿のお尻の白い毛です。鹿は危険を感じると、お尻の白い毛を逆立てるように広げて仲間に注意を促したり、敵の注意をそらしたりするのです。
もしかしてバンがお尻を突き出して白い羽を見せつけるのも警戒感の表れなのでは。調べてみると、やはり、お尻の白い羽を見せるのは「警戒モード」の時と説明しているブログもありました。
フラダンスをして昆虫記者に愛嬌を振り撒いているのかと思っていたら、違ったようですね。実際には、ストーカーのようにしつこくカメラのレンズを向ける薄汚いおじさんを警戒していたようです。
ついでに小さなミドリガメ。昔々夜店とかで売っていたサイズですね。いまや日本中の池を席巻し、日本のカメと言えばミドリガメのことと思っている子供たちが多いですが、要注意の侵略的外来種です。
ついでに虫もちょっとだけ紹介。バンのお尻について解説した流れもあって、おしりに変なものをぶら下げているイノコヅチカメノコハムシの幼虫。お尻の先に付いている五重の塔みたいなものは、孵化後の脱皮殻を順番につなげたものです。
エノキの茂みにはナナフシ。えっどこに。ここにナナフシが3匹いるのが分かりますか。
撮影した季節は6月上旬。当時はまだハナショウブが見頃でした。