スプリングエフェメラルのウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)の季節は、そろそろ終わりですね。先週の高尾のウスバシロチョウはもう、ボロボロのばかりでしたが、若いころより、熟年になって魅力が増すこともあります。ウスバシロチョウの場合は、もともと鱗粉が少ないので、熟年になると羽がますますシースルーになってきて妖艶です。ステンドグラスのようにも見えますね。
そしてもう一つ、発生後期になると、ほとんどの雌はお尻に大きな袋を付けるようになります。これは、雄と交尾した際に、雄に(無理やり?)付けられる交尾嚢(のう)というもので、不倫を防止する貞操帯のようなものらしいです。ギフチョウなんかも交尾嚢を付けるようですが、ウスバシロチョウのように目立つ貞操帯も珍しいでしょう。
ほかの虫の夫婦関係は定かではありませんが、交尾嚢の付ける蝶は、基本的に一夫一婦制で、浮気はなく、しかも交尾は一生に一回だけということですね。清く正しくて良い行いですが、人間に置き換えて考えると、少し残念、少し悲しい気もしますね(一般論です。個人的感想ではありません)。
何年か前に自分が書いた記事を見ると、交尾嚢のことを、もう少し上品に「結婚指輪」なんて言い方をしてました。人間、品の良さが大切ですね。