我が家でオオスカシバが羽化しました。子どもの頃は巨大な蜂だと思って怖がっていたオオスカシバですが、蛾だと知ってしまうと可愛いものです。
虫の知識が増えるに従って、蜂もあまり怖くなくなりました(スズメバチは別ですが)。クマバチなど、テリを張って威嚇しているのは毒針のない雄だと知ってしまうと、全然怖くないですね。
オオスカシバは翅が透明(羽化直後は鱗粉があります。最初の写真でも少し鱗粉が残っています)で、体色が派手な警戒色で、お尻に毒針風の黒い毛束を付けていて、かなり大型でもあるので、確かに恐ろし気です。しかもまるで蜂のように、真昼間に花の周囲をブンブン飛び回ったり、ホバリングしながら花の蜜を吸ったりします。小さな女の子が怖がってキャーとか悲鳴を上げても(昆虫記者も幼少の頃悲鳴を上げていました)仕方ないですね。
でも英語圏ではこの種の蛾をハミングバード・モスなどと呼んでいるので、「可愛い」とか「きれい」とかいう印象があるようです。
植物が好きな人の間では、オオスカシバの幼虫は目の敵にされているかもしれません。幼虫はクチナシをボロボロに食い荒らすあの大きなイモムシです。
白く美しく、かおり高い(芳香剤にもクチナシの香りのがありますね)クチナシの花を愛でようと近づいた際に、オオスカシバのぶっといイモムシを見つけて喜ぶのは虫好きだけ。虫嫌いのカップルだったら、ギョッとして恋心がさめてしまうかも。