さて、この恐竜のような牙の持ち主はだれでしょう。
答えはオニヤンマのヤゴ。
冬の水中の虫探しで、結構よく見つかるのがオニヤンマ(たぶん)のヤゴ。オニヤンマは、成虫になるまで何年もかかることもあるので、真冬にも大きなヤゴの姿が見られます。
トンボは幼虫も成虫も肉食。幼虫がヤゴと呼ばれることは、誰もが知っていますが。ヤゴの名はもともとは、ヤンマの子という意味だったようです。なので、オニヤンマのようなトンボの幼虫こそ、正当なヤゴと言えそうですね。
ヤゴが他の水中生物を捕食する際の武器は、下唇(かしん)とよばれる顎のような部分です。この下唇は、普段は頭の下に折りたたまれていて、目立たないのですが、獲物を捕食する際には、この部分を飛び出しナイフのように前方に伸展させ、大きな牙が付いた先端部分を素早く開閉して食らいつきます。
生き餌しか食べないので、飼育はかなり難しそうで、去年は上陸するまでいったのに羽化できませんでした。今年も1匹飼っていますが、餌として与えている赤虫があまり好きでないようで、また残念な結果になりそうです。