ベランダのエノキで1匹だけ元気に育っていた越冬明けのオオムラサキの幼虫が、無事蛹化、羽化しました。
国蝶オオムラサキが自然の中で生きていくには、エノキの大木と樹液の出るクヌギなどが林立する深く湿った森が必要。つまり、オオムラサキがたくさん生息している場所は、自然が豊かだということですね。
食樹であるエノキは、大木になると根本に湿った落ち葉がたまりやすい空間ができます。そこがオオムラサキの幼虫の越冬に適した場所になります。
越冬幼虫は、近い仲間のゴマダラチョウ、アカボシゴマダラと比べて、サイズが小さいものが多いので、その分だけ環境変化に弱いかもしれません。しかも、オオムラサキは年1化なので、同じエノキを食樹として、2化、3化するゴマダラチョウ、アカボシゴマダラとの競争では圧倒的に不利。
そんな貴重なオオムラサキ成虫の最盛期は、まさに今頃です。東京ではかなり数が少なくなっているようなので、多摩地区や高尾周辺などでたまに見かけると、嬉しくなりますね。