虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

拙著「昆虫記者」の紹介と石垣島虫紀行④

拙著「昆虫記者のなるほど探訪」の第2章、第4話は、政界ナンバーワンの蝶の大家、鳩山邦夫総務大臣です。冒頭部分をちょっとだけ紹介。

鳩山邦夫氏、蝶を語る
昆虫採集はノーベル賞への近道?

政界ナンバーワンの蝶マニアといえば、言わずと知れた鳩山邦夫総務大臣である。1996年に出版された同氏の著書「チョウを飼う日々」に記されたその経験と知識は、私のようなただの虫好きから見ると、まさに驚異の世界。同書によれば、これまで飼育した種は150に迫る。
クモマツマキチョウを1シーズンに900近く羽化させたとか、一匹のオオウラギンヒョウモンに2589個というギネス級の数の卵を産ませたとか、600近いシャーレを部屋に並べてオオルリシジミを累代飼育したとか、ともかくすさまじい情熱が感じられる。
これほどまでに、男を駆り立てる蝶の魅力について、ぜひ話を伺いたい。しかし、文部大臣、労働大臣、法務大臣総務大臣を歴任した大物政治家に、政治の知識が皆無に等しい昆虫記者がインタビューなどしてもいいものか……
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取材を終えて
一番印象に残ったのは、お孫さんとの虫遊び。お孫さんのために、庭にカブトムシ飼育小屋(写真左)をつくったり、お孫さんがつかまえたコミスジ(写真右)を、ヒサマツミドリシジミと同列扱いで立派な標本にしたり。
庭でお孫さんが見つけたツマグロヒョウモンの幼虫を、プラケースで飼育。そのために、わざわざ食草になるパンジーを買ってきたとか。
身近な自然破壊の問題に取り組む環境政党を、いつの日か立ち上げたいという鳩山氏。林道が舗装され虫が激減したことを嘆き、秘密の蝶の観察場所が、ゴルフ場になって涙する話は、私たちとも共通しますね。自らが愛した自然を、蝶を、お孫さんやその先の世代にも残していきたいという願いが強く感じられた取材でした。

「昆虫記者」は時事通信出版局のページから購入できます
http://book.jiji.com/books/publish/p/v/705

石垣島虫紀行その4
石垣島でどうしても見たかったもの。それはクロカタゾウムシでした。身を守るためにカッチカチになりすぎて、ついには飛べなくなってしまったなんて、そんなエピソードだけでも、いとおしくなります。

樹上で交尾するクロカタゾウムシ
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     オオバギらしき木のひこ生えにもいました。
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       ついつい、手乗りさせたくなります。
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