虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

世界の美しい虫

 昆虫記者の役得、虫本の献本が次々に。こんないいこともありますから、まだまだ人生捨てたものではありません。

今回紹介する虫本は「世界の美しい虫」。虫好き男性が、虫好き女性に贈るのに絶好の写真集です。でも、虫好き同士のカップルなんて、希少種ですよね。私は2組しか知りません。なので、虫好き男性が、虫好きになってほしい彼女に贈るというケースも可とします。

内容は、美しく、格好よく、面白い世界中の虫のオンパレードです。ヤマトタマムシナミハンミョウといった日本の美麗種代表も登場しますが、なんと、なんと、ナナホシテントウとか、ゴマダラカミキリとか、無視されがちな超普通種もクローズアップされています。後半の山場、蝶の部では、ウラナミシジミ、そして都会の空き地にいくらでもいるベニシジミが超どアップで。果たして、その意図は。
私なりに推測すると、この本を恋人に贈った虫好き男性が、街中でこれら美しき超普通種を見つけて、恋人に「ほら、あそこ。世界の美しい虫がこんなところにもいるんだね。きっと僕たちを祝福してくれているんだ」と囁くシナリオが考えられます。
しかし、監修者は、あの名高い昆虫研究者、須田孫七氏のご子息の須田研司氏。昆虫記者のような下世話なことを考えるはずがありません。なので、恐らく「身近な普通の虫の中にも、思いがけない美しさがある」という普遍的テーマを語りかけているのでしょう。
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写真の美しさでは足元にも、地下数千メートルにも及びませんが、私の虫本「昆虫記者のなるほど探訪」も、暇な時に手にとっていただけるとありがたいです。ほとんどが、下世話な話ですが。
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 息抜き用のページ、「なんじゃこりゃの虫図鑑」の一部です。