虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

拙著「昆虫記者」の紹介と石垣島紀行③オオヒゲブトハナムグリ編

拙著「昆虫記者のなるほど探訪」の第2章、第3話は、文才と昆虫愛を兼ね備えた昆虫文学少女「まゆゴン」が登場します。冒頭部分をちょっとだけ紹介。

昆虫文学少女、その名は「まゆゴン」
謎の虫アブライモモムシを探して

虫には全く興味のないお母さん、かなり虫が苦手なお父さん。そんな新井家に生まれた麻由子ちゃんはなぜか、2歳のころから「ポケットをダンゴムシでいっぱいにして家に帰ってくる」大の虫好きだった。娘の洋服からはい出てくる不気味な生き物を目にした両親の「ギャー!」という悲鳴が、家中に響き渡ったに違いない。
そんな逆境にもめげず、虫への想いを貫き通した麻由子ちゃんは2012年3月、「アブライモモムシ」という奇想天外な虫の小説で、朝日新聞系の児童文学賞朝日小学生新聞賞」を受賞した。当時は小学4年生だ。
しかし、この昆虫文学少女の出現は、突然の出来事ではなかった。麻由子ちゃんは既に前年、仏文学者奥本大三郎氏が館長を務めるファーブル昆虫館の「昆虫研究ファーブル大賞」で、山本東次郎賞を受賞していたのだ。受賞作品は「まゆゴンのマレーシア昆虫記」。フィクションだけでなく、エッセイも得意なのである。
そんな昆虫文学少女と昆虫記者の巡り合いは、前世からの定めだったのか。発端は、7月下旬に虫好きのエッセイストとして知られる鈴木海花さんから掛かってきた妙な電話だ。「知り合いの少女が夏休みにベトナムのクックフーン国立公園に行く。狙いはナナフシらしい。現地の詳しい情報を教えてほしい」というのだ……
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取材を終えて
その後会うたびに成長していく麻由子ちゃん。中学に進んでも、ずっと虫への思いを大切に持ち続けてほしいと思います。虫への興味と文才を同時進行で育てていったら、どんな世界が広がっていくのか、わくわくしますね。私たちとは全く違ったデジタル世代の子供たちが、自然の魅力に目覚め、違った虫の世界を作り上げていいくのが楽しみです。森で、昆虫館で、こういう子供たちを見かけると、嬉しくなります。日本の虫文化の新たな担い手は健在です。麻由子ちゃんには、かなり虫好きになってきたお母さんの強力なサポートがあります。このお母さんがいれば、大丈夫、私は見守るだけでいいと思っています。

拙著「昆虫記者」は時事通信出版局のページから購入できます

http://book.jiji.com/books/publish/p/v/705

石垣島虫紀行その3
今回は、体力がないと太刀打ちできないオオヒゲブトハナムグリです

        オオヒゲブトは高い樹上を超高速で飛ぶ
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採集には森の中の狭い空間で長網をブンブン振り回す体力が必要
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色違いを並べると、ほらこんなにきれい。もちろん捕まえたのは私ではありません。
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                   生きている時はこんな様子。かなり毛深いんですね。

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