虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

クヌギシギゾウムシとハイイロチョッキリの犯行現場を捜査

 水元公園の金魚飼育施設付近には、小さなクヌギ林があります。若い木が多いので、クヌギドングリが手の届く高さにたくさんなっています。まだ緑のイガグリのような状態なのですが、この時期が食べごろなんですね。

 と言っても、虫記者が食べるわけではありません。清く貧しい生活とは言え、ドングリを食べないと生きていけないほど困窮してはいませんから。それに、人間が食べるなら、もっと熟して茶色くなった方がおいしいです。なんてね、本当に食べたことはありませんよ。あっ、椎の実は食べたかな。

 でも緑色の実は食べません。こんな生臭い実を食べるのは、やっぱり虫ですね。クヌギにいたから恐らくクヌギシギゾウムシということにしておきましょう。ドングリのシギゾウムシはみんな似ていて、見分けが難しいんですよね。
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 クヌギのイガの部分に長い口をブスブスと突き刺しています。食べているのか、産卵のための穴をあけているのか、その両方なのか。ゾウムシに尋ねてみないと分からないですね。こういうのは、研究者の風上にも置けない態度です。風下に置いてもらえればありがたいです。

 水元公園には、コナラの木もありますが、ここのコナラは背の高い木が多くて、ドングリに付くゾウムシを探すのは無理です。でも、チョッキリの痕跡はあちこちに散らばっていました。
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 道の上に、青いドングリの付いた小枝が所狭しと落ちまくっていました。これは、ハイイロチョッキリの犯行と疑われます。怪しさは灰色と言うより、かなり黒に近いです。ドングリの帽子のような、傘のような部分(正式には殻斗と言います。今調べました。恥ずかしい)の縁に近いところか、殻斗とドングリの実(堅果、今調べました)のちょうど境目のあたりに、犯人が口を突き刺した跡があります。
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 帽子(殻斗なんて慣れない言葉はやめました)を外してみると、帽子の下まで凶器は貫通しています。これはもう、状況証拠からして明らかにクロですね。でも犯人はハイイロチョッキリです。