虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

生き物写真家菅野絢子さんと東京の虫撮り2

 生き物写真家の菅野絢子さんと待ち合わせたのは、靖国通りのとある交差点。菅野さんのテーマの一つは「東京の虫・生き物」ですから、こんな都会で待ち合わせることになります。

 ふと見上げると、スズメの夫婦が巣作りに励んでいました。都会らしい、金属製の頑丈な巣ですね。では、質問。この金属製品は一体何でしょう。
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 正解は道路信号でした。

 近くの別の信号機にも巣が作られていたので、結構住み心地のいい場所なのかもしれません。お手軽かつ安全な巣ですね。

 スズメつながりで、オオスズメバチです。しかし、菅野さんは、虫好きなのにハチ恐怖症なので近寄ることができません。
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 暖かい東京では、まだ樹液の出ているクヌギの木があるんですね。越冬前のルリタテハアカタテハ、キタテハなんかも、入れ替わり立ち代わりでやってきます。
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 こちらは、キアシナガバチ。このクラスでも、菅野さんは近寄れません。
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 珍味蜂の子で有名なクロスズメバチは、交尾の最中。
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 ということは、大きい方は女王バチということになります。小さい方は、交尾のためだけに生まれてきて、役目が終われば死んでいく、かわいそうな運命のオスバチ。でも交尾ができたオスは、子孫を残せるわけで、たとえこのまま死んでも本望なのでしょう。

 おや?。気が付くと、菅野さんがおかしな場所でしゃがみ込んでいます。もしやハチに刺されたか。それともハチの恐怖で、痙攣でも起こして、倒れ込んだのか、と思いきや、
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 こんなのを撮っていたのでした。ギシギシの葉裏にいるハグロハバチの幼虫。心配して損した。
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 高速脇のヘクソカズラには、常連のホシホウジャク幼虫。
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 ケヤキの樹皮には、越冬場所を探すトホシテントウ幼虫や、エサキモンキツノカメムシ
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 ゴンズイの葉裏にはアカスジキンカメムシの幼虫、ガマズミにはサンゴジュハムシのカップル、ツバキの葉の上には、越冬間近のウラギンシジミ
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 11月に入ると、山地はもう冬支度ですが、暖かい東京都心はまだ虫たちでにぎやかです。「東京の虫」撮りシーズンは本当に長いんです。