クルミの木はイモムシ探しでは大切な木です。ムラサキシャチホコとか、モンホソバスズメとか、エゾスズメとか見応えのあるイモムシとの感動の出会いがあるかもしれません。ヤママユ系のイモムシも時々見かけますね。クルミは葉が大きいので、イモムシを探しやすいという利点もあります。
しかし、見栄えのいいイモムシばかりを探していると、地味なイモムシをスルーしてしまう危険があります。例えばアミメリンガの幼虫。
アミメリンガの幼虫は、モンシロチョウの幼虫に匹敵するぐらい地味。なので、虫好きであってもたいていの人は、このイモムシがあの美しいアミメリンガになると知らずに、完全無視してしまいます。
もちろん昆虫記者は「アミメリンガかも」と期待して、そんな地味な幼虫も一応確保します。そして、地味な幼虫は繭をつくり、成虫になりました。
成虫は確かにアミメリンガなのですが、「オオ―、憧れのアミメリンガだ!」と叫んだかというと、「あーあ、残念」とうなだれてしまったのでした。
実はアミメリンガは翅の模様の鮮明さがさまざまで、非常に美しい網目模様のもいれば、ほぼ白一色のようなのもいるのです。今回羽化したのは、ほぼ、ほぼ白一色でした(きれいなアミメリンガの姿はネット検索で確認してください)。
いる場所は分かったので、「来年はリベンジするぞ」と心に誓ったのでした。