虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

拙著「昆虫記者」出版と石垣島紀行

 大仕事が一段落したので、「自分へのご褒美」と勝手な理由を付けて石垣島へ行ってきました。
石垣島は天然記念物の生き物たちに、普通に出会える驚きの島でした。
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       特別天然記念物カンムリワシが目の前にいてびっくり

石垣島の旅の思い出を語る前に、やっとこさ終わった大仕事を、ちょっと紹介させて下さい。

このほど、拙著「昆虫記者のなるほど探訪」を出版しました。
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表紙だけでは、どんな本か全然分からないので、まずは主な目次をご覧下さい。

【第1章】「ハズレなし、お手軽昆虫名所めぐり」
★昆虫少年の隠れ家、ファーブル昆虫館=標本教室で未来の虫博士を育成
★ホタルを育てるビール工場=幼虫は怪物、成虫は妖精
★関東のギフチョウを追って=守り続けたい貴重な生息地
★国蝶オオムラサキに魅せられて=特別な蝶への特別な思い
★夏休み、カブトの季節だ!=樹液レストランは今日も満員御礼
セミと過ごす幻想的な夜=高層ビルの谷間で繰り広げられる命のドラマ
★江戸情緒と虫の音に酔う=名園で秋の風情を堪能
【第2章】「昆虫記者と素敵な熱虫人」
★女性にもブーム?虫目歩きの勧め=鈴木海花さんと歩く生田緑地
★昆虫記者、「知の巨人」に挑む=養老孟司氏の本業は昆虫採集
★昆虫文学少女、その名は「まゆゴン」=謎の虫アブライモモムシを探して
鳩山邦夫氏、蝶を語る=昆虫採集はノーベル賞への近道?
★「虫ガールの憧れ」メレ山メレ子さん=ぶさ犬「わさお」の名付け親は昆虫写真もプロ級
【第3章】「さらにディープな昆虫の世界」
★昆虫記者VS毒虫=知っておけば何かと役立つ危険な虫の話
★「イモムシ・ワールド」入門=蛾マニア女子、多岐理さんもお勧め
★昆虫記者、蛾の罠にはまる=「ライトトラップ」の魅力
★真冬の超地味な昆虫採集=フユシャク界のマドンナはホルスタイン
★ゼフィルスのシーズン開幕=高級感あふれる樹上のシジミたち
★一番きれいな虫って何だろう=昆虫王国ジパングの代表はタマムシかハンミョウか
【第4章】「海外“虫”旅行で家族崩壊の危機」
★台湾「蝶の谷」を行く=冬は熱帯で虫エネルギーを補充
★台湾最南端、墾丁は今日も嵐=大蝶オオゴマダラはどこに
アオザイ娘の誘惑と蝶の舞い=病みつきになるベトナム
ベトナム南部のジャングルで満身創痍=蝶の花吹雪は夢か幻か
ビワハゴロモと天女の羽衣伝説=秘境のジャングルにひそむ珍虫
★虫食う人も好き好き=タイのビーチで昆虫食とハムシの太ももを堪能

時事通信出版局のページから購入できます
http://book.jiji.com/books/publish/p/v/705

第1章は、入門編なので省略して、第2章から、一部内容を紹介します。
第2章の第1話は「虫愛づる姫君」代表の鈴木海花さんです。

◎女性にもブーム? 虫目歩きの勧め
鈴木海花さんと歩く生田緑地=主役はマイナー路線

昆虫趣味は男の世界。そんな過去の常識はもはや通用しない。この世界にも、女性の進出が著しい。ネット上には、女性による昆虫関連サイトが次々と出現している。
今回は、そんな虫好き女性のトップランナーの一人、鈴木海花(かいか)さんと、彼女のとっておきのフィールド「生田緑地」を「虫目」で散策することに。
2010年春に出版された海花さんの著書「虫目で歩けば」は、私にとってはかなりの衝撃だった。まず著者が女性である。私の周囲の女性は、妻を筆頭として、虫に全く関心がないか、虫を毛嫌いしている者がほとんどだ。虫が好きという女性がたまにいても、その対象は、色鮮やかで優雅な蝶に限られていた。
しかし、海花さんが取り上げる虫は、ハムシ、ゾウムシ、イモムシといったマイナー路線。悪臭で鼻つまみ者のカメムシが特にお気に入りの様子だ。
果ては、嫌われ者の代表のようなクモ、ダニまで登場。家の中をさまよっていた子グモの群れが糸を風に乗せ旅立っていくのを寂しげに見送り、チーズを熟成させるチーズダニを冷蔵庫の野菜室で愛情込めて飼育している……

写真はニジゴミムシダマシ撮影風景とトレンチ行動中のクロウリハムシ
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第2章のトップを飾る「鈴木海花」さんは、私の尊敬する虫の道の大先輩。この取材をきっかけに、恐れ多くも時々一緒に虫目歩きをさせてもらっています。海花さんのブログ「虫目で歩けば」http://blog.goo.ne.jp/mushidoko64 は絶対お勧め。海花さんの温かい人柄がすぐに分かります。著書の「虫目で歩けば」「虫目のススメ」も必読ですね。
・日本中に広げよう虫友の輪
海花さんは、虫への思い入れもすごいのですが、私のように、ただだた虫にのめり込んで自己満足で虫を見せびらかすわけではありません。赤字覚悟で各種の昆虫イベントを主催、虫の魅力、面白さを多くの人に伝えようとするその熱意には感動します。
惜しまれながら幕を閉じたタモリ氏の司会の人気番組「笑っていいとも」。「世界に広げよう友達の輪」はいいフレーズでした。海花さんは、世界とまではいかずとも、「日本中に広げよう虫友の輪」を実践している貴重な女性昆虫エッセイストです。私も微力ながら、海花さん応援団の一人として、虫友の輪を広げていきたいと思います。