虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

タテジマカミキリ、知らぬまに羽化

 あれは今年3月のことでした。千葉の公園のカクレミノの木で、若い枝の先端にポッコリと穴が開いているのを発見しました。
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 もしやタテジマカミキリ?。食害された枝先を割いてみると、中にはやっぱり鉄砲虫。鉄砲の筒の中に込めらた弾丸のようですね。
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 まあ、カクレミノに付くカミキリなら、まずタテジマカミキリに違いないと思うのですが、科学者(誰が?)に思い込みは禁物。枝を切り取って飼ってみることに。
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 一度餌替えをした時の写真がこれです。6月のことでした。
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 そのあとはずっと忘れ去っていたのですが、先日プラケースの中の枝に脱出した穴を発見。大きなカミキリムシだと、この穴がまるで弾痕のように見えるので、鉄砲虫の名があるようです。
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 プラケースの中を見回すと、瀕死の成虫が。かわいそうなことをしました。でもこれで、タテジマカミキリと確認できたので、科学者としては一応の成果を得たことになります。ちなみに、縦の縞模様はタイガースのユニホームほどはっきりはしていません。
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 しかし、タテジマカミキリが多少なりとも人気があるのは、虫の少ない冬に、髭までピンと伸ばした規律正しい姿勢で越冬している姿がいじらしいからです。

 手のひらの上で再現してみると、それはまあ、こんな姿勢です。
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 実は、虫記者はまだ、タテジマカミキリの真冬の越冬姿を見たことがありません。今年の冬こそはと、俄然意欲がわいてきます。