虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

未成年の♀を狙うキタキチョウ♂

 キタキチョウの成虫が、羽化が近い蛹にとまっている写真が、ネット上に多くありますが、本日その現場を目撃しました。蛹が♀のホルモンを分泌していて、♂が羽化を待ちきれずに求愛しているという説が有力ですね。
 嘘か本当かは分かりませんが、本当だとしたら、キタキチョウの♂はちょっとあせり過ぎ。へたをすると、未成年者狙ったみだらな行為で逮捕されかねません。
もう少し、理性と節度を持ってもらいたいものです。
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 しかし、秋も深まるこの季節。もう11月ですから、今後、交尾可能な新鮮な♀に出会える機会は極めて少ないことでしょう。♂があせる気持ちも分からないではありません。やはり男としてはどうしても、♂の立場に立って物事を考えてしまいます。

 羽化前から婚約者気取りで、「この娘は俺のもの」と必死でしがみ付く♂(仮に一郎君としておきましょう)のところへは、ライバルの二郎君や三郎君たちが次々と邪魔しにやってきます。

 一郎君は羽を広げて、必死でライバルを追い払いますが、蛹からは決して離れようとはしません。
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 代々木公園の一角にあるこの幼木(ニセアカシアでしょうか)にはともかくたくさんのキチョウが群れていました。蛹や、蛹の抜け殻もたくさん付いていて、フェロモン出まくりの木なのでしょう。
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 一郎君の恋人以上に、羽化寸前、数分後にも羽化しそうな蛹もあるのですが、こちらは恐らく♂の蛹なのでしょう。だれも求愛に訪れません。
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 もうすぐ羽化して、一郎君の恋のライバルになるのでしょうか。そうなるとやはり若い♂の方に分がありそう。壮年一郎がんばれ。