虫を飼っているとときどき、どこに置いたのか忘れてしまうことがあります。先日部屋の中を、ちょっと危険そうな蛾が飛び回っていて、妻に怒鳴りつけられました。
額縁にとまった蛾を確認すると、その正体は「イラガ」でした。家の中のどこかに、あの芸術品のような繭を置き忘れていたのです。
そういえば、たしかあのあたりにあったはず。ぼんやりした記憶をたどって探してみると、きれいに蓋のあいた繭がありました。
この蓋の開いた繭のことを「スズメノショウベンタゴ」とか言います。雀が小便するには、ちょっと小さすぎるような気もするし、そもそも雀が小便をするかどうか、定かではありません。
ところで、今年は別のイラガの繭から、イラガセイボウが誕生しました。イラガセイボウは寄生蜂なので、これが出てきたら普通は、残念「飼育失敗」例になるのですが、セイボウはイラガの成虫よりずっときれいなので、セイボウが出てくることを期待して、冬にイラガの繭を探す人もいるくらいです。
こうなると、イラガとイラガセイボウのどちらが「当たり」 なのか、分からなくなりますね。確率で言うと、どちらが出てくるかはほぼ半々という感じです。
イラガは幼虫が美しい(でも強烈な毒虫です)ので、幼虫を育てて、繭から宝石系のイラガセイボウが出てきたら「当たり」と言えるのかも。
なにせイラガの成虫は地味。成虫に毒はないと言われていますが、今回羽化直後のイラガに触れた手首の部分は、若干水ぶくれのようになりました。(ムヒアルファEXを塗ったらすぐ直りました。ムヒアルファは必携ですね)。もしかすると、羽化直後は幼虫の毒が少々残っているのかもしれません。つまり、今回のイラガの繭は「外れ」ということですね。