拙著「昆虫記者のなるほど探訪」の第3章、第3話は、奥の深い蛾の世界。川上洋一、多岐理さん父子の指導の下、ライトトラップ決行です。冒頭部分をちょっとだけ紹介します。
◎昆虫記者、蛾の罠にはまる
「ライトトラップ」の魅力=蝶をチョウ越する蛾の造形美
今回は蛾(が)である。なぜか嫌われ者である。蝶(ちょう)は好きだが蛾は嫌いという人も多い。しかし、蝶と蛾の区別は、あまり明確ではない。鱗翅(りんし)目の膨大な種のうち、ごく一部の昼行性の小ぎれいな仲間を蝶と呼び、それ以外を蛾と呼ぶ程度の違いである。それなのに、夜行性で体が太く触角が不気味などと因縁を付けて、蛾を差別するのは不当だ……
取材を終えて
蛾はすごい、そして深いと思いました。蝶とは比べ物にならないほど多くの種類、多様な形態。蛾の世界にはまった人たちは、一生尽きない、飽きることのない、楽しみを手に入れたようなものです。蛾の採集、観察、研究をしている人々はきっと、人間の一生はあまりにも短かすぎると思っていることでしょう。
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◎石垣島虫紀行その8
ピンク色の粉を体中に塗りたくったヒラヤマメナガゾウムシ。
こんな変なゾウムシの存在を初めて知りました。イヌビワの枝にたくさんしがみついているので、石垣島のバンナ公園に行ったら是非さがしてみて下さい。
多少色落ちしている感じですが、それでもかなりの厚化粧。新鮮な個体が、どれほど「どピンク」なのか、見てみたいですね。
ハマウドの花には、キムネカミキリモドキも群れていました。ピカピカに輝く太ももの太さは半端ではありません。
このかわいいコメツキもハマウドに。ハマウド様さまです。たぶんツマグロコハナコメツキ。