蝶と蛾の区別は難しくて、専門家の間でも見解が分かれることがあるくらいです。蝶のように見える蛾もいれば、蛾のように見える蝶もいる。もともと区別していない国もあるようですし、区別すること自体、あまり意味がないという意見もあります。蛾という大きな項目の中の、一つのグループが蝶という見方もあります。
霊園散歩で出会ったキンモンガは、そういう蛾とか、蝶とかいうジャンルを取り払って、「きれいな鱗翅目の虫」という方が納得できる存在でした。
これまでキンモンガは、比較的出会いの少ない蛾だったのですが、今回の霊園散歩では、3匹もいっぺんに出会ってしまいました。
1匹目は写真を撮れず。2匹目はシダの葉の上で静止していました。暗いところで羽を開いて休んでいる図は、「やはり蛾だな」という感じ。
ところが、明るい日だまりで、3匹目のキンモンガを見た時に、印象が一変しました。
ヒヨドリバナの白い花の間を、蜜を求めて飛び回る姿は、まさに蝶。「花から花へ、とまれよ、遊べ、遊べよ、とまれ」とまさに童謡「ちょうちょ」の世界そのものではありませんか。
キンモンガがここにたくさんいる理由は明白。食樹のリョウブがいっぱい生えていて、その葉がすべてボロボロになっていたのです。今回は幼虫は見つけられなかったので、別の機会に再チャレンジしたいと思います。
ほかにも、きれいな蛾がいました。
こちらはクロスジノメイガ。
そして、お馴染みアゲハモドキ。
実はキンモンガはアゲハモドキガ科なのだそうです。どちらも蝶に似ていますが、アゲハモドキはジャコウアゲハに擬態していると言われ、キンモンガはタテハ系の蝶の風貌で、成虫レベルでは、お互いはあまり似ていないように思います。
でも、幼虫はかなり似ているのです。これは、やっぱり、次回には幼虫を確認しないといけないですね。虫撮りは次から次へと課題が出てきて大変です。