7月19日から27日は、日本の虫屋にとって特別な期間でした。知ってましたか、ナショナル・モス・ウィーク。「世界蛾週間」とでも申しましょうか。米国で始まった市民参加型の科学プロジェクトで、その趣旨は、地球上で大繁栄している蛾という生物の観察を通じて、生物多様性について知識を深めようというもの。
何と日本からの参加は、今年が初めて。その中心となる記念すべきイベント「夏の虫塾・ナショナル・モス・ウィーク」が、山梨県北杜市のオオムラサキセンターで開かれたのでありました。
(ライトトラップの様子)
画期的イベントなので、参加メンバーがすごい。全体を統括するのは、若手の蛾研究者を代表する国立科学博物館の神保宇嗣(じんぼうつぎ)博士です。
(蛾の図鑑を手に講演する神保先生)
さらに、小学校推薦図書「カブトムシ山へ帰る」の著者として知られる自然写真家の山口進氏、昆虫写真家の森上信夫氏、虫塾主催者の鈴木海花さん、そしてもちろん末席には昆虫記者も。
その他虫好きの人々を含めた30数人が、ライトトラップをしたり、野山を歩き回ったりして、蛾を探します。
成果の一部は、日本版ナショナルモスウィークのサイト(http://www.nationalmothweek-jp.net)の掲示板で見ることができます。
そして、一同を感動の渦に巻き込んだのがこれ。
究極の擬態として知られるあのムラサキシャチホコです。どう見ても、くるりと巻いた落ち葉。これが平面の羽に描かれた模様だとは信じ難いことです。
発見者が、大先生たちではなく、イベントに参加したこの小学生というのも、またすごいことですね。白い矢印のところにムラサキシャチホコがいます。