虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

イボタガ羽化、天上の曼荼羅か魔界の魔法陣か

 去年はイボタガの幼虫に、ずいぶん楽しませてもらいました。あのすごいテンタクルズ(触手)のような角。魔界から送り込まれた怪物のようでした。なつかしいですね。
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  幼虫はイボタの葉が好物です。イボタはモクセイ科なので、街中にたくさん生えている金木犀や、同じくモクセイ科のネズミモチでも飼えるようです。大きな幼虫は、金木犀の固い葉もバリバリ食べます。

 その幼虫が、6月初めに蛹になってから、長い月日が流れました。
 そして3月、ちょっと早いですが、一匹が羽化しました。
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 これほど複雑で芸術的なデザインの生き物は、めったにいません。密教の天上界を描いた曼荼羅、あるいは魔界につながる魔法陣のようにも見えます。
 手乗りさせてみました。
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 イボタガは英語ではアウル・モス(OWL MOTH)、フクロウ蛾と呼ばれます。
 羽を大きく開いた姿を拡大すると、フクロウの顔に見えますね。眼状紋が目で、腹部がくちばし、複雑な模様は羽毛。上羽の端は、耳のように見える
ミミズクの頭の羽「羽角」によく似ているような気もします。
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 小鳥や蛇などは天敵のフクロウ、ミミズクだと思って逃げ出してしまうかも。

 こちらは、秋ヶ瀬公園にいた本物のフクロウのひなの顔。イボタガの顔の方が恐い。
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 イボタガの成虫の口は退化していて、餌を食べることはないらしいです。確かにストローのような口は見当たりませんね。
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