緑のバランの上に乗った握り寿司?。ネタは卵に海苔にトビコあたり?。いえいえ、これはサワフタギの葉に乗ったシロシタホタルガの幼虫です。おいしそうですが、食べてはいけまんせ。毒があります。
シロシタの幼虫はカラフルで可愛いので、探していたのですが、そもそも主な食樹のサワフタギのある公園が少ないので、かなりご無沙汰でした。しかし、今年は5月下旬に千葉市の公園で、サワフタギを発見しました。
うれしいことに、サワフタギの葉の上には、例の握り寿司が乗っていたのです。幼虫の季節は最終盤のようで、繭が幾つか見られ、幼虫は丸々と太った終齢幼虫でした。
驚いて身を縮めた姿がまた可愛い。裏返すと、頭が肉の中に埋もれて、これまたチャウチャウ犬のようで、愛らしい。
しかし、この幼虫をあまりいじめてはいけません(もうすでにいじめてる)。ホタルガの仲間の幼虫は、いじめられると体表から毒液を染み出させるからです。この体液に触れるとかぶれるそうです。
成虫は上から見ると、ホタルガと良く似ています。上翅の白い線が高い位置にあって、水平に近いのがシロシタホタルガ、白い線が中央の下に向かってⅤ字型になるのがホタルガです。シロシタの翅は全体に青っぽく、ホタルガの翅は真っ黒。
でもシロシタホタルガとホタルガの最大の違いは、シロシタの下翅のかなりの部分が白いこと。ホタルガの下翅は真っ黒です。
シロシタの下翅の白い部分は、裏から見るとよく分かるのですが、ガラス窓にでもとまっていないと、裏を見るのは難しいですね。どうしても裏を見たい人(そんな人はまずいない)は、シロシタを捕まえてビニール袋に入れて観察するのがいいです。