insects of kinabalu park ⑬
キナバル公園内のホテルに宿泊すると、バルサムカフェでのブッフェの朝食が付いています。このレストランは値段が高いので、無料の朝食以外は遠慮していたのですが、夜ここで食事をすると、思いがけないプレゼントが手に入ることもあります。
なんと、ここに日本最大の蛾ヨナグニサンの親戚のアトラスモスが飛んでくるのです。
毎食バルサムカフェに来ているお金持ちの西洋人家族から、そんな情報をいただきました。「かなり弱っていたので、まだレストラン前の塀と植え込みの間にいるはず」とのこと。
すっ飛んで行くと、本当にいました。ボロですが感激のアトラスモスです。これさえ見られれば、あとは何も見られなくてもいいとさえ思っていた巨大蛾です。
お金に余裕があれば、夕食はバルサムカフェで食べて、灯火に舞うアトラスモスの雄姿に酔いしれるのもいいでしょう。でも、必ずアトラスモスが来るとは限りません。「ディナー料金がかさんだだけで、何の収穫もなかった。騙された」などと、怒りの矛先を虫記者に向けるのはやめましょう。
これはキナバル山への登山道の入り口となるティンポンゲートです。ここから先はガイドなしで進むことはできません。ここも昼間に居残りの蛾がたくさんいるので、要チェックです。
コケガの仲間でしょうか。現代美術の作品だと言っても、疑われないでしょう。
ヒトリモドキ系でしょうか。こういう控えめな色彩の蛾もいいものです。
その他、いろいろな蛾が転がっています。
大型のカミキリムシもやってきます。
小さなコガネムシにも、ゴールドジュエリーのようなのがいるので、見逃さないように。
ティンポンゲートのちょっと手前に、リワグトレイルの入り口があるので、ここまでタクシーで来て、リワグトレイルを下ると、いい運動になります。でも、もともとこのトレイルは道が荒れているので、先日の地震の後は通行が難しくなっているかもしれません。
拙著「昆虫記者のなるほど探訪」でも、アジアの虫撮りの穴場をたくさん紹介してます。海外旅行の際には、是非異国の虫に注目を。グローバル化で人間界の異国情緒は乏しくなっていますが、虫の世界はまだまだ異国情緒たっぷりです。