虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

冬の蝶その4

 アリに襲われシジミチョウの幼虫は絶体絶命イメージ 1
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 アリの大群に襲われ、可弱いシジミチョウの幼虫は絶体絶命。ムラサキシジミ、ムラサキツバメの幼虫にアリが群がっている図は、そんな風にも見える。しかし、実態は仲良し同士の共生なのだという。アリは幼虫が出す甘い汁をなめさせてもらい、幼虫はアリに守ってもらう。
 タイホウドングリの通称で知られるマテバシイの、ひこ生えに食痕があれば、ほとんどこの幼虫によるものだ。葉の一部が丸まっていて、近くにアリがいれば、丸まった部分の内側に幼虫がいる。
 幼虫の段階で、ムラサキシジミなのか、ムラサキツバメなのか、見分けることは、私のような素人にとっては不可能に近い。成虫になって初めて、羽に尾状突起があればムラサキツバメ、なければムラサキシジミと分かる。昨日、自宅にある最後の蛹が、羽化直前の状態になった。今日、明日にでも羽化すれば、正体が判明する。
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9月末に自宅で羽化したムラサキツバメ。小さなプラケースの中で数日、窮屈な思いをしたため、羽が傷んでしまった。ゴメン。
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今ごろ羽化するムラサキシジミ、ムラサキツバメは成虫で集団越冬するらしい。「らしい」と書いたのは、2011年11月1日現在、集団越冬を目撃したことがないからだ。昨年12月には、葛西臨海公園で越冬中のムラサキツバメを見たが、単独での越冬だった。その近くに、ウラギンシジミは7~8匹いたが、こちらは、隣り合った葉で2匹ペアで越冬しているものが多かった。羽を閉じたままだったので、ペアが夫婦なのか、同性愛者なのかは確認していない。
 
 
 
 
 
秋に新宿御苑で撮影したムラサキシジミ。樫の木の葉裏に産卵していた。
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卵の拡大写真
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昨年12月末に撮影した越冬中のムラサキツバメ
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 今年は、ムラサキシジミの集団越冬を見るため、人工越冬巣をあちこちに作ってみた。常緑樹の葉が茂る中に、枯葉の束を押しこんでおくと、そこで越冬することがあるという。「自然観察」の王道に反する「不自然」で姑息な手段ではあるが、試してみる価値はある。