虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

冬の虫風景、生贄にされた虫たち

 東京都に残された数少ない田園、里山の風景。小野路ではそんな風景が多く見られます。人間だけでなく、虫もそんな風景がお気に入り。でも冬になると、多くの虫は姿を隠してしまいますね。
 そして、死に絶えた虫たちの、ちょっと残虐に見えるシーンも、あちこちに見られます。映画などの残虐シーンからは、つい顔をそむけてしまう気の弱い虫記者ですが、自然界の現実から目をそらしてはいけません。そこには、涙をこらえて現実を凝視するジャーナリストの姿がありました。なんて言うほど大したことはない、ただのモズの早贄です。

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 田んぼのイナゴがジャンプして羽を広げた瞬間のようにも見えますが、背中には竹の枝先が食い込んでいます。

 近づいてみると、確かに早贄です。
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 裏から見ると、手を合わせ、天に召されていく、荘厳な虫の最期の姿にも見えてきます。よく見ると、背中には天使の羽。マッチ売りの少女とか、人魚姫とか、「フランダースの犬」のネロ少年とか、ラストで涙したことを思い出しますね。
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 こちらは蛾です。こんな小さな蛾なんて、一口で飲み込んでしまえばいいものを、モズはこんなのまで串刺しにするんですね。捕まえてはみたものの、「どう見ても不味そうだ」と思ったのかもしれません。好き嫌いは良くないです。やめましょう。小学校の給食でアジフライをこっそり捨てたことを思い出します。
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 定番の毛虫です。串刺しにしても、あまり罪の意識は感じない類の虫ですね。見た目での差別はやめましょう。
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 そして何とミミズまで。うーん、これはちょっと、そのまま食べる気にはならなかったのでしょう。天日で干して、漢方薬にでもしようと思ったのかも。
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