虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

秋の特選虫旅in高尾

 急に涼しくなって、いよいよ秋本番ですね。汗ダラダラ、蚊ブンブンの夏が終わって、野山の散策には最適。虫の数はだんだん寂しくなってくるとは言え、快適な環境での虫探しができるという点では、申し分のない季節です。
 ちょっと高尾山にでも気軽に虫旅に出かけてみよう、なんて気分になりますね。秋の高尾と言えば、アサギマダラ。涼しくなって、低山へと下りてくるのがこの季節。晴れてさえいれば、ほぼ確実に出会えて、秋らしいすがすがしい気分にさせてくれる蝶がアサギマダラです。毎年恒例ですから、今年もどうしても会いたくなりますね。

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 でも、さすがは行楽の秋。週末ともなると「特選秋の旅in高尾」へと、ドッと人々が繰り出してくるのです。

 高尾山口駅前はやっぱりすごい人です。以前はこんなに込み合っていなかったのに、なんかもう、最近の高尾詣で熱はすごいですね。風景を見て、いい空気を吸って、普通の山歩きを楽しむだけなら、人込みでもまあ、いいのでしょうが、特選虫旅となると、ちょっと厳しい。人通りが多いと、虫はすぐに逃げ隠れしてしまいますから。
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 と、いうことで、高尾山は回避して、急きょ草戸山に目的地を変更することに。この草戸山、標高はわずか364メートルですが、東京都町田市の最高峰なのです。

 高尾山口駅近くから草戸山への登り口は、虫記者の知っている範囲では3つありますが、そのうち一番分かりやすいのは、梅ノ木平からの峯の薬師参道です。

 途中のコンビニの壁でまず蛾をチェック。

 いい感じのシャチホコ系がいました。イシダシャチホコのようです。
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 癒し系のアカスジシロコケガも
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 道端の草むらでは、ゲンノショウコの実がはじけていました。こういう小さな雑草にも目を向ける余裕。人通りの少ないコースならではです。
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 カナムグラの葉が丸まっていたら、その裏側には、キタテハの幼虫がいます。
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 周りをチラチラと飛び回っている小さな蛾は、ヨツスジヒメシンクイ。どうでもいい、ゴミくずのような虫ですが、それでもよくよく見れば、それなりにいい感じのデザインの蛾です。
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 幼虫はカナムグラの茎の中にいて、小さな虫こぶを作ります。
 こんな虫こぶの一か所から糞が出ていれば、中に幼虫がいます。
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 高速道路の高尾山インターへと向かう甲州街道沿い。歩道を歩いている人は誰もいません。高尾山のハイキングコースはあんなに混んでいたのに、隣の草戸山のコースのなんと不人気なこと。虫旅には、なかなかいいコースなのに、ちょっと不当な扱いですね。
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 高速のインターを過ぎると、間もなく梅ノ木平のバス停です。1日3便しかありません。歩きましょう。健康のためにも。
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 バス停のすぐ先に、左手に折れる関東ふれあいの道の道標があります。大垂水峠まで8・3キロ、小仏城山まで10・1キロ。虫記者のような根性なしにとっては、気が遠くなる距離です。でもご心配なく。草戸山山頂までは、ここから、たったの2キロ弱。
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 なのに、もう息切れです。続きは次回に。