高尾山周辺での昆虫観察会。イモムシ毛虫も大歓迎の心の広い観察会です。
しかし、シャチホコ蛾系の幼虫は、イモムシとも毛虫とも違う、別種の生き物のようです。。
マメ科と思われる雑草が生い茂る草原。緑の草の中に、茶色の異様な物体が。ヒメシャチホコの幼虫です。じっとしているので、食後の休憩中と思われますが、このしゃちほこ張った姿勢では、くつろげそうにはありません。
この名古屋城天守閣に陣取る鯱(しゃちほこ)のポーズが、シャチホコガ系の幼虫の自然体なのです。堅苦しいやつですね。反り返った姿勢は、まさに大魚と虎の合成怪物シャチホコ。
ちょっと刺激すると、折り畳んでいた胸脚を伸ばして、威嚇してきます。異常に長い中脚と後ろ脚は、槍のような凶器に見えます。
歩き始めたこの姿はとてもイモムシとは思えません。
英語圏では、鯱は知られていないので、シャチホコガは幼虫の姿から、ロブスターモスと呼ばれます。
どこがエビなのと言いたくなりますが、上から見ると、エビに見えるんです。
まだエビに見えませんか。それでは、真上から。
どうです、手長エビのように見えませんか。三対の胸脚のうち、短い前脚が牙のような口。長い中脚、後ろ脚がハサミの付いた足に見えますよね。
日本ではウサギの餅つきに見える月の模様が、外国ではカニに見えたりするのと同じで、見る方向や、見る人の下心などで物の姿は変わります。