虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

秋の特選虫旅in高尾2、モンキアゲハいじめ

 いよいよ草戸山へと向かいます。週末だと言うのに、誰も歩いていません。目と鼻の先の高尾山はハイカーで大混雑だと言うのに。
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 峯の薬師参道に入るとすぐに高級料亭、うかい竹亭があります。もちろん足を踏み入れたことはありません。自己負担では絶対無理だし、虫撮りばっかりしているおやじがご招待、ご接待されるわけもありません。万が一ご招待されたりしたら、マナーを知らない虫記者は取り乱して、大迷惑をかけること必至です。
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 昔(少年時代)はもっと暗い杉林だったのですが、間伐などの管理が行き届いているようで、明るく住みやすい(虫にとって)森になっていました。
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 高尾グリーンセンターです。林業、木工、間伐などの体験もできる施設です。利用は原則10人以上のグループが対象なので、虫撮り目的で一人で泊まることはできません。大人一泊3300円と安いのに残念。虫撮りも林業の一環だ、などと屁理屈をこねても無駄です。
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 そうこうしているうちに、カラスザンショウの幼木に、アゲハ系の終齢芋虫を発見。
 背中の模様で、だいたい何アゲハなのか判別できますね。なんて言って、すぐに判別の仕方を忘れてしまうのは、もはや老人性痴呆症初期の症状と言えるかもしれません。
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 たぶん、なになにアゲハだと思うけれど、念のため、あの臭い臭角、あるいは肉角を確認したいと思います。本当に念のためですよ。見た瞬間から分かっているんです何アゲハか。本当に、きっと、たぶん、もしかしたら。やっぱり自信がない。

 うわっ、出た。真っ赤な臭角。となれば、クロアゲハかモンキアゲハということになります。
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 都会の公園で見慣れたクロアゲハとは違って、背中の黒い帯が中央でブチブチと切れていて、特に後ろの帯なんかは、ほとんどドットになっているので、これはモンキアゲハでしょう。
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 そこまで分かっていれば、わざわざ臭角を出させるまでもないと言う人もいるでしょう。分かっていて、芋虫を突っついたのなら、ただのいじめですね。そういう詰問に対する都合のいい答えは、悪者の常套句「記憶にございません」です。

 さらなる追及を受ける前に、先へ先へと歩を進めましょう。杉が減ってきて、いい感じの雑木林に。
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 下草のサルトリイバラの葉陰から、毒毛虫のようなトゲトゲがのぞいています。裏返してみると、やっぱりいました。ルリタテハの幼虫ですね。触るとチクチクしますが、毒はありません。
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 さあ山頂まではあと一息。いや、あと二息。もしかしたら三息かも。ということで、お菓子でも食べて、また休憩です。