虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

八王子神社初詣の目的はアサギマダラ

 今年も初詣は東京都八王子市の八王子神社。世間一般の初詣の定番神社ではありません。なので、初詣客は全くいません。牛頭天王(ごずてんのう)の八人の王子、つまり八王子を祀った神社なので、まさに八王子市民の氏神様のような神社ですが、高尾駅から登山口までのバスが土日しか出ていないという不便さから、冬のこの時期に訪れる人は数えるほど。この日朝のバスも、終着駅の八王子城跡まで乗ったのは虫記者1人だけでした。
 つまり、この神社の神様は八人の王子なわけですが、虫記者にとっては、この神社の神様はアサギマダラ様です。

 山頂の神社へと続く階段脇にあった小さなキジョラン。その葉には、神様が食べた痕跡の丸い穴。
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 葉裏を覗くと、やっぱりいました。アサギマダラの幼虫です。この季節としてはかなり大きな幼虫です。こういう大きいのは、生き残りが難しいようで、2月ごろに遺体でみつかることが多いのはこういうサイズの幼虫です。
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 先ほどの階段を上ったことろにあるこれが、八王子神社です。毎年きちんとお参りしているので、毎年きちんとアサギマダラの幼虫に出会うことができます。
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 高尾山名物のテングもいます。
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 かわいいお地蔵さんも多い。
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 天使の羽毛のようなものがたくさん落ちています。これがキジョランの種ですね。
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 もっとずっと小さい、孵化後間もないような印象の幼虫が冬を越すのに都合がいいようです。
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 こんな感じでか噛み噛みした跡が新鮮で、摂食阻害物質の白い液の痕跡がはっきりしている丸い食痕があれば、ほぼ確実に近くに幼虫がいます。
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 幼虫を正面から見ると、まさに頭に牛のような大きな角の生えた牛頭天王のお姿ではありませんか。この地のアサギマダラの幼虫は、牛頭天王の生まれ変わりなのです。手を合わせて拝まずにはいられません。