虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

シンガポールの沿線虫ガイド① マウントフェーバーでドラゴンクエスト

シンガポールの沿線虫ガイド① マウントフェーバーでドラゴンクエスト

 

 「さあ、熱帯の超先進都市シンガポールにドラゴンを探しに行こう」などと未来形で語っていますが、実は半年も前の話です。1週間後に台湾虫旅というのに、今年3月のシンガポール虫旅をブログでは全く紹介していないというこの体たらく。実は昨年のタイ・サイヨークの虫旅レポートですら、まだ完結していないとは、一体どういうこと。

 

 一応はてなブログの旅行グループの片隅に置いてもらっているので、やはり海外旅行シリーズをほったらかしにしておくわけにはいきませんね。

 

 てなことで、シンガポール・シリーズを開始することにします。開始しても、いつ終わるか全く見当がつきませんが、とりあえずは挑戦することに意義があるということにして、まずはシンガポール旅の1日目。

 今回の目標は、何と「ドラゴンクエスト」です。と言っても、仮想空間のロールプレイングゲーム(RPG)ではありません。本物のドラゴンを探すのです。「そんなもん、シンガポールにいるんかい」と疑う人が多いでしょうが、いるのです。そして、出会える確率はかなり高い。

 

 ではまず、ドラゴンの顔から。

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生きたドラゴン、チビフタオチョウ幼虫を探す「ドラゴンクエスト」の旅

 どうです。まさにドラゴンですね。ドラゴン以外の何物でもないですね。でも「ちょっと、イモムシ風に見えないこともない」という意見もあるでしょう。詰問される前に告白しましょう。これはイモムシです。

 シンガポールは熱帯ですが、高度に都市化された島国。とてつもなく豊かな自然があるはずはなく、とてつもなく珍しい巨大昆虫がいるはずもありません。そこで、これまでの海外虫旅では主要ターゲットにしていなかったイモムシを集中攻撃することにしたのです。これまで見慣れた蝶でも、その幼虫にはお目にかかっていないというケースが多いので、とりあえずイモムシで目先を変えようという姑息な手段に打って出たというわけです。

 そして、かなり簡単に見つかりそうなイモムシの情報をネット上でピックアップ。すると、このドラゴンがヒットしたのです。

 

 日本語での正式名称チビフタオチョウという蝶は、シンガポールにもたくさん生息している普通種の蝶です。今回の旅の最初のターゲットであるドラゴンは、このチビフタオチョウの幼虫なのです。昆虫記者はこの幼虫に以前から憧れており、密かに「ドラゴンフェイス」という名を付けていたのでした。

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以前サイヨークの虫旅で紹介したチビフタオチョウ成虫

 

 まずは居場所。そして幼虫の食樹を調べます。たくさんいる場所は、サザンリッジというシンガポール南岸の丘陵地と分かりました。ここにはマウントフェーバーという有名な観光地があって、縦横無尽の散策路が整備されています。セントーサ島へのゴンドラ式ケーブルカーの始発駅があるので、いつも観光客であふれています。

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マウントフェーバーとセントーサ島を結ぶケーブルカー

 こんなところに本当にドラゴンはいるのか。不安になるほど賑やかな観光地です。まずは観光しましょう。なにせ、旅ブログですから。

 

 フェーバーポイントはマウントフェーバーの頂上です。マウント(山)と言いながら、標高は100メートルほどしかなく、ふもとの地下鉄(MRT)ハーバーフロント駅から、散策路を歩いて登っても15分ほどの距離です。

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マウントフェーバー頂上の見晴らし台、フェーバーポイント

 大していい眺めではないので、あまり期待しない方がいいです。ここには、小さなマーライオン像があります。シンガポールに数体しかない公式マーライオン像の一つですから、一応写真を撮っておきましょう。

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フェーバーポイントの小マーライオン

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見晴らし台の基部にはシンガポールの伝説を描いたレリーフがある

 ケーブルカー駅の近くには、鳴らすを幸せになれるという「ベル・オブ・ハピネス」があります。そんなに簡単に幸せは訪れないと知りながらも、昆虫記者も一応幸せのベルを鳴らしてみます。響くのはむなしい音がだけです。そして、金持ちで幸せそうな人々を乗せた観光バスが次々にやってきます。

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鳴らしても、簡単には幸せになれないベル・オブ・ハピネス

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ベルに続く階段で記念写真を撮る女子旅一行は幸せそうだった

 このあたりからセントーサ島を眺めると、同島の巨大マーライオン像が見えます。海をバックにした巨大マーライオン像を写真に収められる場所はここぐらいしかありません。公式マーライオンはこれで2体目となります。2体が一度に見られるなんて、お得ですね。

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セントーサ島の巨大マーライオンを海をバックに撮ることができる

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シンガポールの海はたいていこんな眺め。さすが貿易立国、停泊する船の数が半端ではない

 などと、どうでもいい話をしているうちに、眠くなってきました。本日はここまで。「えー、ドラゴンクエストはどうなったの」という声は無視して次回に続きます。