里山の蝶の4割が絶滅危惧種になりかねない危機的状況にあるそうです。これは朝日新聞も、NHKも報道するぐらい恐るべきニュースです。
「モニタリングサイト1000里地調査」という環境省事業で、日本自然保護協会が調査を担当したというので、信頼性は高そうです。
調査は里地、里山の身近な生物種が対象ですが、中でも特に蝶の減少が激しくて、50カ所の調査地点での2008~2017年の調査分析では評価対象種(87種)のうち約4割(34種)が、「減少率」を基準にすると、絶滅危惧種に相当する勢いで数を減らしているというのです。
10年当たり30%減少すると、この絶滅危惧の基準に当てはまるようですから、この34種は、10年前の3分の2程度、ないしそれ以下に減っていることになりますね。
調査結果が発表されたのは今月12日とのことですが、虫への関心が高まる夏休み前とかに発表されていれば、注目度はずっと高かったのではないでしょうか。その点は残念です。
ミヤマカラスアゲハやオオムラサキが大幅に減少(絶滅危惧1A類の減少率に相当)しているのは、実感として分かるのですが、アカタテハ、ゴマダラチョウ(同1B類)、キタテハ、イチモンジチョウ、ジャノメチョウ(同2類)まで、危機的状況というのはちょっと驚きです。なんと、都会の公園で一番多く見られる気がするイチモンジセセリさえ、急激に減少しているというからびっくりですね。
確かにゴマダラチョウは、外来のアカボシゴマダラに圧倒されて苦境にある気がするし、ジャノメチョウも見る機会が以前よりグッと減った感じはします。
でも、キタテハとかイチモンジセセリとかは、虫撮りに出かけても、わざわざ撮影しようとは思わないぐらいどこにでもいる蝶です。なんて言っていられるのは、今後数年かもしれないなんて考えると、今後はキタテハですら心して撮影しないといけないかもしれませんね。