虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

ワールドカップのゴールと比べると超地味なオジロアシナガゾウムシ(パンダゾウムシ)のゴール

 冬になると、葉の落ちたクズの茂みにオジロアシナガゾウムシ(白黒模様から成虫はパンダゾウムシと呼ばれることも)のゴールが目立つようになります。ゴールと言っても、ワールドカップの日本チームの劇的ゴールとは比べ物にならないほど地味なものです。ゴールとは、植物の茎などに虫が産卵することでできる虫こぶ、虫癭(ちゅうえい)のことですね。

オジロアシナガゾウムシのゴール(左)とゴール内の蛹(右)

 アブラムシが入っているゴールは、開くとウギャーとなりますが、オジロアシナガゾウムシのゴールには、そんな恐怖感はありません。中は空っぽでない場合には、幼虫、蛹、成虫のいずれかが入っています。今頃は成虫が多いと思います。

 10月に開けてみたゴールの中には成虫が入っていましたが、11月に開いたゴールには蛹が2つ入っていました。

このゴールには蛹が2つ入っていました。

 

蛹の段階でも象のような鼻の形が分かる。

ゴールの中にはこんな蛹室が1~4つぐらい入っています。

蛹室から出てきたオジロアシナガゾウムシ成虫。

このゴールには2匹が入っていた。

オジロアシナガゾウムシの成虫は、こんな感じでクズの茎につかまっていることが多い。

 植物の茎につかまって成虫越冬している姿をよく見かけるので、ゴールの中で羽化した成虫は、晩秋にゴールから出て越冬するのでしょう。でも寒い冬はゴールの中で越冬した方が楽そうですね。そんなちゃっかり者もいるかもしれません。