虫撮る人々

地球は人間の所有物と思ったら大間違い。虫も獣も鳥もいる。昆虫記者の私的ブログです。

食べて美味しいイモムシの話。桜の香りが食欲を誘う?サクラケムシ=モンクロシャチホコ幼虫

 今回は食べて美味しく、香ばしいイモムシの話。美人女優の井上咲楽(いのうえさくら)さんも、桜の香りがして「美味しい」と太鼓判を押すサクラケムシ(モンクロシャチホコの幼虫)です。

 とは言え、やはり最初から毛虫の画像では、嫌悪感を抱く人も多いので、まずは成虫(蛾なのでこれも多少の嫌悪感があるかも)の画像から。

モンクロシャチホコの成虫。翅を開くとなかなか格好いい。

翅をたたむと鳥の糞擬態になると言われるモンクロシャチホコ成虫。

 成虫は翅をたたんで縮こまると、鳥の糞擬態になると言われていますが、翅を広げるとなかなか格好いい蛾でもあります。(以下に毛虫の写真が出てくるので、苦手な人は先に進まない方がいいかも)。

 8月末に代々木公園に行ってみると、桜の木が軒並み丸裸になっていました。そして大量のサクラケムシが、蛹化準備のため幹を下って、地面をうろうろ。わずかに残った葉をむさぼり食う姿も見られました。

わずかに残った桜の葉をむさぼり食うサクラケムシ。

こちらはかなり以前の日比谷公園での写真。

このくらいの小さい幼虫の方が、試食の抵抗感が少ないかも。

サクラケムシの食害で丸裸になった代々木公園の桜の木。

 公園での動植物の採集は原則禁止ですが、サクラケムシは公園にとって迷惑な害虫なので、少しだけ酒のつまみ用に持ち帰っても、非難されることはないかも(どうせ駆除されるし、カラスにばくばく食べられていたし)。

 昆虫記者なら当然、サクラケムシを食べたことがあるだろう思われがちですが、実は勇気が出せず、まだ食べたことはありません(糞のお茶は飲んだことがあります)。なので、今回サクラケムシを試食するのは、カラスだけということになりました。

サクラケムシを食べまくるカラス。美味しそうですね。


 それでもサクラケムシを食べたいという人は、ゆでる、炒めるなど火を通して、衛生面に十分注意して食べて下さい(不測の事態が発生しても昆虫記者は責任を取りません)。

 食べるのにはさすがに抵抗があるという人(一般市民の大半)には、飼育してみるという選択肢もあります。飼育ケースの中が桜の爽やかな香り(幼虫が葉をかじる際の香りや幼虫の糞からの香りと思われます)に満たされるのを楽しむことができます。