冬になると、エノキの大木の根元で落ち葉をかき分けている変なおじさんの姿を目にすることがあります。こうしたおじさんの狙いは、オオムラサキの越冬幼虫。しかし、都心にはオオムラサキはいません。したがって、都心の変なおじさん、つまり私の狙いは、誰も見向きもしないゴマダラチョウです。
浜離宮にはエノキの大木が多く、根元には落ち葉がたくさんたまっています。これを持ちあげて、パラパラと落としていくと、葉の裏側に張り付いたまま硬直している幼虫がみつかります。最近、東京では外来の近縁種であるアカボシゴマダラが勢力を拡大し、純国産のゴマダラチョウを圧倒していますが、なぜか浜離宮は貴重なゴマダラ天国。まだアカボシに出会ったことはありません。
浜離宮にはエノキの大木が多く、根元には落ち葉がたくさんたまっています。これを持ちあげて、パラパラと落としていくと、葉の裏側に張り付いたまま硬直している幼虫がみつかります。最近、東京では外来の近縁種であるアカボシゴマダラが勢力を拡大し、純国産のゴマダラチョウを圧倒していますが、なぜか浜離宮は貴重なゴマダラ天国。まだアカボシに出会ったことはありません。
これがゴマダラチョウの幼虫。背中の目立つ突起は3対で、お尻が左右に割れているのが特徴です。
こちらはわが家の植木鉢にいるアカボシゴマダラの幼虫。背中の目立つ突起は4対で、お尻をきれいにすぼめているのが特徴です。
春、夏の幼虫は角の形や体の模様ではっきり区別できるのですが、越冬幼虫はこうした特徴が消えてしまうので、注目するのはお尻です。しつこいようですが「お尻」を見るのが確実な識別方法です。
成虫の蝶は全く姿が違います。年一回発生のゴマダラチョウは黒地に白の水玉模様。
これに対し、アカボシゴマダラの夏型はその名の通り、後翅の赤星が目立ちます。
春型は全体に白っぽい大きな蝶です。初めて見た時は「こんな蝶が日本にいるはずがない。とんでもない大発見だ」と興奮してシャッターを切り続けました。でも、今はどこにでもいる蝶です。
年2回発生する外来のアカボシの方が繁殖力が強いようで、関東では国産ゴマダラは窮地にあります。人気もきれいなアカボシの方が上なのですが、私は地味な国産が好きです。
幼虫はこんなところで越冬しています。